2022年3月28日月曜日

「総合教育ワークショップ」と「英語で学ぶ教養」のご紹介

 前回の記事で、全学共通教育センターが開講する2022年度の特別授業を紹介しました。今回は、全学共通教育センターが開講する2022年度の「総合教育ワークショップ」と「英語で学ぶ教養」という授業を紹介します。これらの科目は1年次から履修できます。

総合教育ワークショップ
 総合教育科目の様々な分野について、双方向的な授業形式で学ぶ、定員が20~40名の科目です。半期科目で、同一年度に1科目だけ履修できます。授業形式・テーマ・内容とも多様なものを用意しています。2022年度に開講される総合教育ワークショップの授業表題は以下の通りです(表題をクリックするとシラバスを読むことができます)。



英語で学ぶ教養
 英語を使って総合教育科目の諸分野の内容をゼミ形式で学ぶ、定員15名の半期科目です。2022年度に開講される英語で学ぶ教養の授業表題は以下の通りです(表題をクリックするとシラバスを読むことができます)。


 なお、上記は、3月28日現在の情報です。今後、変更になることもありますので、ご注意ください。

2022年3月14日月曜日

2022年度「特別授業」のご紹介

  新年度の授業履修登録の時期が近づいてきました。今回は全学共通教育センターが開講する「特別授業」をご紹介したいと思います。

 「特別授業」とは、「卒業要件表」には載っていない、通常のカリキュラムとは別の授業のことで、「特別講義(特別企画講義)」と「特別語学」の二種類あります。特別授業は、今学んでほしいホットな内容を扱いたい場合などに、期限付きで開講するものです。

 2022年度、全学共通教育センターでは以下の「特別講義」を開講します(科目名をクリックするとシラバスを読むことができます)。

 「特別語学」とは、2~3年の期限付きで開講される語学の授業です。東京経済大学では、毎年開講される常設の語学科目として「英語」、「ドイツ語」、「フランス語」、「スペイン語」、「イタリア語」、「中国語」、「朝鮮・韓国語」、「日本手話」を用意しています。これら常設の語学科目とは別に、2022年度は、下記の4つの特別語学科目を開講します。語学科目では、言語そのものだけでなく、関連する文化や歴史、社会などについても学びます。


 以上、全学教育共通センターが提供する特別授業の紹介でした。各学部の専門科目にも特別授業があります。特別授業は、今、学んでほしい科目ですので、履修の候補として検討してもらえればと思います。

 なお、上記は3月14日現在の情報です。今後、変更になることもありますので、ご注意ください。

2022年2月25日金曜日

言語の内なる多様性

 こんにちは!Здравствуйте(ズドラーストヴィチェ)สวัสดี(サワッディー) Bonjour! (ボンジュール) 你好!(ネイホウ)안녕하세요?(アンニョンハセヨ)

(クイズ:これらは何語でしょう?答えはこの記事の最後にあります。)

 「言語学」を担当する小田登志子です。2021年度に「多言語化する地域社会の理解に資する言語学」と題したプロジェクトに対して大学から助成をいただき、さまざまな言語を話す地域の人々をゲストとして授業にお招きしました。前期「言語学a」に引き続き、後期「言語学b」の様子をご紹介します。また、この取り組みを通して私が気づいた「言語の内なる多様性」について皆さんとシェアしたいと思います。

 後期のゲスト5名は、新宿区にある千駄ヶ谷日本語学校の在学生および卒業生の皆さんです。

     
 イェヴゲニーさんはモスクワ出身です。日本の冬は「全然寒くない」そうです。ロシア語はキリル文字で表記します。キリル文字には英語のアルファベット(ラテン文字)と似ていても発音が違う文字があります。コンビニのコピー機にРусский(ルースキー)と書いてあるのを見たことがありませんか?最初の文字Pは英語で言うとRに相当します。

 マーラーグンさんはバンコク出身です。お寿司が大好きで、お寿司屋さんでアルバイトをしながら日本語学校に通っています。最近は国内で本格的なタイ料理が食べられるようになったので、タイ語をちょっと覚えておくと便利です。「ガイ」は「鶏肉」の意味なので、「カオマンガイ(鶏肉炊き込みご飯)」「トムヤムガイ(鶏肉スープ)」は鶏肉を使った料理だということがわかります。

 ポールさんはパリ出身です。2020年に来日したばかりですが、とても日本語が流暢です。ポールさんに言わせると、日本語は漢字が難しいものの、文法はそれほどでもないそうです。私たちの身の回りにはフランス語がたくさんあります。コーヒーチェーン店の「シャノワール」は「黒猫」という意味ですが、chat(シャ猫) noir(ノワール黒)のように、形容詞が名詞の後ろに来ます。

 江歷彤(コウレキトウ)さんは香港出身です。母語は広東語です。香港では広東語を繁体字で表記します。ちなみに「東京経済大学」を繁体字で書くと「東京經濟大學」になるそうです。江さんは学校で英語と北京語も習ったため、香港にいる時からすでに3つの言語を使用して生活していました。日本語は江さんにとって4つ目の言語です。「飮茶(ヤムチャ)」のように日本ですっかり定着した広東語もあります。

 キム・ヨンジンさんはソウル出身です。国際貿易に関心があり、将来はアメリカに留学したいそうです。朝鮮・韓国語で用いられるハングルは駅の看板でよく見かけます。ハングルの音をアルファベットで表すと「ㅁ(m)」「ㅣ(i)」「ㅌ(t)」「ㅏ(a)」「ㅋ(k)」なので「미타카」は「mitaka三鷹」です。電車に乗る時間が少し楽しくなるかもしれません。

 その他「言語学」では外国語だけでなく、琉球諸語、アイヌ語、日本手話についても紹介するようにしています。このように多様な言語を授業で紹介するうちに、学生から次のような質問が寄せられるようになりました。

「私には読字障害があります。どうやったら外国語が覚えやすくなりますか?コンピュータを使った読み上げぐらいしか思いつかないのですが。」
「私には吃音があります。小さいころから苦労してきました。でも外国語で話す時は吃音が出ません。どうしてでしょうか?」

 読字障害や吃音を持つ人が急に増えることは考えにくいでしょう。つまり、こういった学生さんは今までも履修者の中にいたけれども、声を上げにくかったのだと思います。多様な人々が自分らしく学べる環境を整えているかどうか、常に自分に問う必要があると感じました。

 こうして考えると、言語の一つとして捉えられている「日本語」の中にも実は「方言」「若者ことば」「読字障害」「吃音」「点字」「失語症」など幾重にも多様性が存在することに気づきます。もしかしたら「日本語」とは私たちが考えるよりもずっとあいまいなものなのかもしれません。

 言語の多様性をいかに尊重してゆくかはこれからの日本社会の大きな課題の一つでしょう。「言語学」を通して皆さんとともに考え続けていきたいと思います。

(クイズの答え:日本語、ロシア語、タイ語、フランス語、広東語、朝鮮・韓国語)

・ゲストの招聘に際して、千駄ヶ谷日本語学校のご協力を得ました。この場を借りてお礼申し上げます。

・関連記事

2022年2月3日木曜日

2021年度「総合教育研究発表会」レポート

 2月2日(水曜日)、2021年度の「総合教育研究」の発表会が行われました。「総合教育研究」は、全学共通教育センターが開講する卒業研究・制作に相当するもので、2年次以降のゼミである「総合教育演習」で学んだ成果を発展させて、論文や制作にまとめあげるものです。2014年度より、全学共通教育センターの公式行事として発表会を開催しています。

 今年度は、コロナ禍のため、昨年度に引き続き、Zoomを使用したオンライン開催となりました。発表したのは、相澤先生麻生先生小田先生・横畑先生、それぞれご指導の計4名でした。1人あたりの発表時間は、質疑応答を含めて30分で、発表のタイトルは以下の通りでした。

発表(1):高校生、大学生への読書推進活動考察〔相澤ゼミ〕
発表(2):〈尊厳死〉の法制化へと向かうことの危険性――「自己決定」と「尊厳」に関する批判的検討にそくして〔麻生ゼミ〕
発表(3):日本の教育現場における吃音者を対象とした合理的配慮に対する理解を促進するには〔小田ゼミ〕
発表(4):NIEの未来―新聞教育で生徒のメディアリテラシーは高まるか-〔横畑ゼミ〕

 総合教育演習・研究の多様性を反映して、様々な分野の研究の発表がなされました。しかし、どの発表にも「日本の将来」という論点が共通して含まれていたと思います。

 発表された学生さんはお疲れ様でした。またご聴講いただいた学生さん、先生・職員のみなさんには厚く御礼申し上げます。「自然の構造」他担当の榎基宏が記しました。


2021年12月14日火曜日

2021年度「総合教育演習ゼミ報告会」レポート

  12月11日(土)に、全学共通教育センターに所属する教員が担当する「総合教育演習」のゼミ報告会が開催されました。今年度は、8ゼミが参加し、報告数は18件にのぼりました。


 総合教育演習のゼミのテーマは、人文学・社会科学・自然科学などなど非常に幅広く、そのため、報告会の発表は、内容・スタイル共に各ゼミの個性を反映した、多彩なものとなりました。昨年度は全面的にオンラインでの発表でしたが、今年度は報告会は教室での対面発表とZoomを使用してオンライン発表を併用して実施されました。

関センター長による開会のあいさつ

 ゼミ報告会で、自らが学んだことの成果を発表すること、そして他のゼミの発表を見て、質疑応答に参加することは、自分たちのゼミ活動を振り返ることにつながります。今回は対面開催とオンライン開催を併用しましたが、この経験を今後に活かしていってほしいと考えます。「自然の構造」他担当の榎基宏が記しました。

*参考記事


2021年10月14日木曜日

英語アドバンストプログラム×国際交流講演会

 「英語アドバンストプログラム」を担当する小田登志子です。今日は「英語アドバンストプログラム」の授業を利用して行われた「国際交流講演会」についてご紹介します。

 「英語アドバンストプログラム」は選考によって選ばれた2年生以上の学生が履修するプログラムです。英語の授業が週に2回あり、1回はベルリッツ講師によるリスニング・スピーキングの授業、もう1回は本学講師によるリーディング・ライティングの授業を履修します。とてもまじめで熱心な学生が多いのが特徴です。

 今回はプログラム生の「腕試し」のために、 「英語アドバンストプログラム」 の授業が開講されている月曜日3時限の時間を利用して「国際交流講演会」を企画し、プログラム生が60名ほど参加しました。講師はパキスタン出身で小平市在住のラジ・アフマドさんです。講演は「Girls Education in Gilgit and Role of OLSS in Minawar(ギルギッドにおける女子教育とミナワーにおけるOLSSの役割)」と題して英語で行われましたが、一般参加者のために日本語の要約が加えられました。参加者は合計で約130名でした。

OLSS(Outliers Secondary School)Minawar, Gilgitの様子  写真提供:OLSS

 この講演の中で、講師のラジ・アフマドさんは、故郷のパキスタン北部ギルギット地方で行っている女の子のための学校支援について話してくれました。パキスタン・ギルギッド地方は美しい山々に囲まれ、世界中から登山客が訪れます。一方、女の子の教育の機会は限られています。ラジさんの故郷であるギルギッド・ミナワー村は伝統的な農村で、女の子は大きくなったら家の手伝いをしたり、結婚したりすることが期待されています。また、家庭に子どもを学校に通わせる余裕がない場合もよくあります。ラジさんはアメリカやマレーシアの支援者から寄付を募って2010年に女の子の教育を目的とした学校をミナワー村に設立し、10年以上にわたってボランティアとして学校の運営に携わってきました。小さな教室から始まった学校は今ではOLSS(Outliers Secondary School)に発展しました。secondary schoolはおおよそ日本の高校に相当します。

左:校舎の増築を手伝う村人 写真提供:OLSS
右:先生になってミナワー村に帰ってきたディルシャドさん 写真提供:OLSS

 最初のうちは、女の子のための学校を作ることに反対の村人もいたそうです。しかし、ラジさんたちボランティアは根気強く村人と話し合いました。そして、学校に親を招いて生徒の表彰式をしたり、祭日には生徒たちに家族と食べるための食糧を持たせたりしました。こうした長年の努力が実り、今では学校の増築を村人が総出で手伝ってくれるようになりました。また、OLSSを卒業してカレッジに進学し、ミナワー村に先生として帰ってきた女の子も現れました。今では、OLSSを卒業した女の子たちは皆カレッジに進学したいという夢を持つようになりました。かつて女の子には小学校5年生までしか就学の機会がなかったミナワー村は変わろうとしています。

 「教育こそが貧困を脱する手段なのです。そして英語はとても重要です。英語ができて初めて大学に進学することができ、良い仕事に就くことができるからです」とラジさんは言います。参考までに、パキスタンの大学では講義のほとんどは英語で行われます。OLSSの生徒たちは授業を英語とウルドゥー語で受けています。そして家庭では地元の言語であるシナ―語を話します。パキスタンではこのように公用語の英語、国語のウルドゥー語、そして地元の言語の3つを話す人がたくさんいます。

 この講演の質疑応答の際、プログラム生が果敢に英語で質問をしました。

プログラム生:マレーシアの人からの支援が多いのはどうしてですか?マレーシアとパキスタンのつながりは何ですか?

ラジさん:マレーシアの人はパキスタンのことをあまりよく知らないことが多いのですが、ムスリム同士だという共通点があります。

プログラム生:ラジさんがこのように熱心に活動する原動力は何ですか?

ラジさん:私自身の家庭にあります。私には女のきょうだいがいます。小さいころは一緒に学校に通いました。大きくなってからは、私には進学する機会があったのに、彼女にはありませんでした。彼女のほうがずっと優秀だったにもかかわらずです。女の子だからという理由で進学できないのはおかしいと思いました。

教室でラジさんと記念撮影  写真提供:国際交流課

 ラジさんが国分寺市国際協会の会員であることから、今回の講演には国際協会会員の方々が多数参加しました。感想を一部ご紹介します。

・国分寺市国際協会会員の方:日本でもまだ男女の格差は解消されていないが、パキスタンでもかなり深刻な格差があることに驚きました。その格差を教育の面から少しずつ解消しようと、学校の設立及び生徒の進学の手助けを行っていることに感動しました。講演会を聞いていて、自然と胸が熱くなるような感覚があり、私も少し視野を広げ、自分が知らないことについても少しずつ知っていきたいと感じました。

・国分寺市国際協会会員の方:パキスタンでは男性と女性で教育に差があったという状況から女子のための学校を作り、彼女たちの将来の道を広げるために尽力しているラジさんの活動が素晴らしいと感じました。特に午前中は学校で勉強をし、午後は裁縫の学校に通い、技術を身につけられる機会があるというのは彼女たちの可能性を伸ばす点でいいと感じました。

 ミナワー村のOLSSのケースはプログラム生にいろいろな問題について考えるきっかけを与えてくれたと思います。パキスタンと日本に共通する男女の格差はどうして根強く残っているのか?学校に行きたくても行けない子どもは日本にもいるのか?日本の大学生ももっと英語で授業を受けるべきなのか?

 これらは複雑な問いであり、簡単に答えが出るものではありません。「英語アドバンストプログラム」の教員も学生と共に考えていきたいと思います。そして、自分たちの在り方について考えるチャンスをくれる多様な人々との交流を今後も続けていきたいと考えています。

<関連サイト>

英語アドバンストプログラム

Outliers Secondary School Minawar Gilgit フェイスブック 

国分寺市国際協会



2021年6月26日土曜日

TKUサイエンスカフェ「火山の監視とテクノロジー」

 地球の科学担当の新正です.6月25日に久しぶりにTKUサイエンスカフェを実施しました.コロナ禍の中,カフェといいつつお茶もお菓子もないオンライン開催でしたが学生20名をはじめ,多数の方にご参加いただきました.

今回は神奈川県温泉地学研究所の萬年一剛さんに「火山の監視とテクノロジー」というタイトルでお話しいただきました.基本的な背景知識から説き起こしてホームグラウンドの箱根火山,特に2015年噴火に関するお話を中心にご紹介いただきました.かつては火山の地下で起こる地震観測が主であったのが,加えてGNSS(GPS)や人工衛星で捉えられる山体の膨らみなどで活動の前兆が見えるようになってきたこと,地下の探査の進歩で箱根火山の下のマグマだまりや熱水,変質帯が見えてきたことなど,豊富な話題を紹介していただきました.防災面での実地のご経験に基づくお話や,ブラタモリご出演の際のタモリさんのエピソードなどを巧みに取り込んだ興味深い講義をいただきました.

講義終了後に学生から鋭い質問がなされ,終了予定時間を超えてオンラインでの対話が続き,充実したカフェとなりました.

なお,講義部分については見逃し配信が行われます.詳細は追って学習センターからTKUポータルで案内されます(学内限りです).

私が担当している総合教育演習では萬年さんのご著書「最新科学が映し出す火山 その成り立ちから火山災害の防災、富士山大噴火」を遠隔授業期間中に輪講していました.

こちらは東経大図書館にも所蔵されているので,火山や火山の防災に関心のある方は,ぜひご一読ください.

これは火山のイメージ画像です(アメリカ西海岸のシャスタ山)

ご多忙の中,楽しい講義を行ってくださった萬年さんと,今回もサイエンスカフェとしての開催にお力添えいただいた,学習センターの皆さんに重ねて御礼申し上げます.