2016年1月28日木曜日

プロスポーツと地域貢献

「スポーツの科学」「スポーツ(テニス)」ほか担当の遠藤愛(まな)です.1月21日(木)のスポーツの科学b」の今年度の講義のラストFC東京の地域コミュニティ統括部長の久保田淳氏が「プロスポーツと地域貢献」について講義をしてくださいました.
 
 学生の中には,「FC東京の選手が来るのかと思った」,「プロスポーツの世界についてお話をしてくださるのだと思った」などといった予想もありましたが,久保田氏の講義はFC東京が東京都の球団として,地域にどのような形で貢献しているのか,つながっているのかについての話でした.キャラバン隊と称して,都内の学校にFC東京の選手が出張してサッカーを指導する,コーチを派遣する,さらに久保田氏自身も行かれたことがあるそうですが,小笠原の島に1日かけて行ってサッカーを指導するのだそうです.小笠原を去るときは島全体で見送りをしてくれるので,FC東京のスタッフにもとても人気のある出張コーチだとか.また,2015年に地震があったネパールに行く企画についても球団として支援し,久保田氏も同行なさるそうです.

 そんな久保田氏の一番の願いは,「味の素スタジアムに足を運んでFC東京の試合を見にいくこと」なので,毎年恒例の遠藤愛ゼミのスポーツ観戦の一つは決定しました.久保田氏が講義で取り上げたFC東京の選手がサッカーオリンピック予選で活躍していますが,トップスポーツもただ競技に打ち込むだけではなく,文化として生活の中にどのように溶け込んでいくかが日本のスポーツの抱える課題の一つです.自身もプロテニスプレーヤーとしてさまざまな活動に参加してきましたが,個としてではなく球団,さらにサッカー界全体として地域と向き合い,交流をすすめる姿勢は私にとってもスポーツのあり方を考えさせてくれる機会になりました.

関連リンク
 ・FC東京ホームタウン活動 普及活動報告(キャラバン隊が紹介されています)
 ・遠藤ゼミ 楽天オープンテニス観戦
 ・【学問のミカタ】学問としてのスポーツって??
 ・スポーツの授業をふりかえる

2016年1月25日月曜日

【学問のミカタ】一年は何秒?

 「自然の構造」他担当で、天文学が専門の榎です。さて、【学問のミカタ】の今月のお題「正月」ですが、これは、暦の年初のことを指します。日本では、明治時代よりグレゴリオ暦が使用されていますので、現在の日本での正月はグレゴリオ暦の年初になります。
 
 さて、この正月から2016年が始まりましたが、2016年の1年は何秒でしょうか?1日は24×60×60秒=86400秒で、今年は「うるう年」なので1年は366日ですから、366×86400秒=31622400秒となります。では、昨年、2015年の1年は何秒でしょうか?昨年はうるう年ではないので1年は365日ですから、365×86400秒=31536000秒だ、と思うかもしれませんが、実は、31536001秒と、1秒だけ余計に長かったのでした。これは、2015年は、「うるう秒」が挿入されたからです。

 「うるう秒」とは何でしょうか?これは、1秒の決め方からくるものです。もともと、1秒は、地球の自転や公転などといった、地球の運行を基準として決められていました。しかし、地球の自転の速さが一定ではなく不規則に変化していることが明らかになってきたため、基準として不適当であり、もっと高精度の基準が必要であると考えられるようになりました。そこで、現在では、セシウム133原子が放射する特定の電磁波の周期を1秒の基準としています。とはいえ、日常生活における時刻は、朝に日が昇り、夕方に日が沈むなどといった、地球の運行から生じる自然現象に深くかかわっています。そこで、地球の運行を基準に決められた時刻を、原子が放射する電磁波を基準にして決められた時刻とうまく合わせるために、時々、「うるう秒」を挿入したり、削除したりして、調整したものを標準時として使用するようになりました。

NICTの日本標準時発生システム
 2015年の場合、日本では7月1日にうるう秒が1秒間挿入されました。日本標準時の午前8時59分59秒の1秒後に、「午前8時59分60秒」という時刻が挿入され、その1秒後が午前9時00分00秒となりました。この日本標準時を生成して供給し、各国の標準時と比較しているのが「情報通信研究機構(NICT)」です。NICTの本部にはセシウムを使った原子時計が設置され、日本標準時を生成し、供給するシステムがあります。電波時計へ送られる時刻合わせの信号の大元もここで生成されています。

 NICTの本部は、東経大の国分寺キャンパスから北の方へ、歩いて20分くらいのところにあります。昨年、うるう秒が挿入された翌日の7月2日に、TKUサイエンスツアーでNICTを見学に行きました。この時は、日本標準時を生成している部屋を見るという貴重な体験をすることができました。NICT本部展示室なら、申込をしなくても自由に見学できます。なかなか面白いNICTの研究成果が多く展示されていますので、大学の行き帰りに、こちらにも足を伸ばしてみてはどうでしょうか?

【参考リンク】
 ・NICT日本標準時グループ

 ・NICT本部展示室
 ・TKUサイエンスツアー第1弾「情報通信研究機構NICTに行ってみよう!!」 

2016年1月21日木曜日

知的書評合戦—ビブリオバトル(学生編)を行いました

東経大図書館では、学生に向けたさまざまなイベントを行っています。1月14日の夕刻には東経大図書部主催の「ビブリオバトル(学生編)in TKU」を開催しました。

ビブリオバトルではそれぞれがオススメの本を持ち寄り5分間で聴衆にむけプレゼンを行います。聴衆はそのプレゼンを聞いてどの本が一番読みたいと思ったかを投票して、1位となったチャンプ本を決定します。

12月には教職員編のビブリオバトルが開催され、白熱の戦いが展開されました。
ビブリオバトル(教職員編)が行われました、をご参照ください)

図書部の板橋先生の軽妙な司会進行のもと、まず発表順を決めて、下に記す順番でそれぞれのオススメ本のプレゼンを行っていきました。

  • 中川亜里紗さん(経営1年)いしいしんじ『ぶらんこ乗り』新潮文庫
  • 諏訪竜也さん(経営1年) 辻村深月『図書室で暮らしたい』講談社
  • 志田拓哉さん(経営3年) 石持浅海『月の扉』光文社文庫
  • 引地昭人さん(経営2年) 森博嗣『詩的私的ジャック』講談社文庫
  • 小島邦裕さん(経営1年) 青木雄二『ゼニの人間学』ロングセラーズ

5名の学生は緊張しつつも、それぞれの思い入れが現れた中身の濃いプレゼンを行いました。本のここが好きであるという語り、本との出会いについて、中学のとき貴重なお小遣いで本を手に入れた話、小説のモチーフの美しさ、本の著者について、本の題名に込められた意味、本に記された思想への共鳴、などなど多様で聞き応えがありました。

それぞれのプレゼンに引き続き3分程度で質疑やコメントがなされ、5人全員が終わったところで投票タイムに移りました。


話題が本当に豊富であったので、私自身もおおいに迷いつつ投票をしました。結果として、志田さんご推薦の『月の扉』がチャンプ本に選ばれ、ビブリオバトルはお開きになりました。


2015年度東経大教育改革支援制度からの援助を得て活動している「図書部」としてのイベントはこれが最後になるかと思いますが、東経大図書館では今後も学生に本と図書館に親しんでもらうイベントを行っていきます。

「地球の科学」ほか担当の新正がお送りしました。



図書館によるレポート
学生記者によるレポート

2016年1月18日月曜日

「日曜美術館」出演情報

NHKのEテレで日曜朝に放映中の「日曜美術館」に徐京植教授(現代法学部、「芸術学」「人権論」ほか担当)が出演します。

1月24日(日曜日)9:00〜
「海峡を越えて―画家
イ・ジュンソプと妻マサコ」
※再放送が翌週1月31日(日曜日)夜8時からあります。

韓国の国民的画家イ・ジュンソプ(1916~1956)の世界を現在94歳の妻の山本方子(やまもと・まさこ)さんとの関係を通じて紹介されます。

詳細についてはこちらのページをご参照ください。

関連した展覧会が福岡アジア美術館 で2月2日まで行われています。
日韓近代美術家のまなざし―『朝鮮』で描く
詳細についてはこちらのページをご参照ください。

是非ご覧ください。



2016年1月7日木曜日

総合教育演習「スポーツ・コーチング論」公開講義のお知らせ

スポーツ関連科目担当の遠藤愛です。私が担当する総合教育演習の「スポーツ・コーチング論」(遠藤ゼミ)のゲスト講師として、株式会社WOWOWにてスポーツ番組の制作に長年携わっておられる口垣内徹氏をお招きします。興味のある方の来聴を歓迎します。

日時:1月18日(月) 5限(16:20〜17:50)
会場:F303教室(6号館3階)
講義テーマ:「メディアにおけるスポーツ報道の意義」

※なお公開は本学学生、教職員を中心とした学内者を対象とさせていただきます。

参考リンク
【学問のミカタ】学問としてのスポーツって??
国立スポーツ科学センターを見学しました
遠藤ゼミ 楽天オープンテニス観戦