2014年2月24日月曜日

麻生ゼミ・相澤ゼミ 卒論発表会

 倫理学とフランス語担当の相澤です。春休み真っ最中の今日、哲学担当の麻生ゼミと合同で、卒論発表会を行いました。

東経大の教養系ゼミでは、四年次に希望者は総合教育研究を履修し、卒業論文を執筆することができます。今年は麻生ゼミ1名、相澤ゼミ1名が卒論を執筆しました。そこで、ゼミ履修者が集まって、二人の卒論を検討する会を催すことになりました。

持ち時間は一人一時間ずつ。20~30分卒論報告、残り時間で質疑応答。みっちりのプログラムです。
まずは相澤ゼミのMさん。卒論タイトルは「功利主義の応用事例としての同性愛」です。功利主義者ベンサムの同性愛擁護論を検討し、そこから同性婚の是非について現代社会への教訓を引き出そうとする内容でした。


続いて麻生ゼミのSさんが発表。タイトルは「"奪う愛"から"奪われる愛"へ —有島武郎『惜しみなく愛は奪う』の主張に対する批判的考察—」です。有島の「奪う」愛の概念を検討し、むしろ愛とは「奪われる」ものであると主張する内容でした。








両者とも興味深い内容で、質疑応答も盛り上がりました。みっちり一時間ずつやり合いましたが、まだまだ時間は足りず。濃密な二時間でした! 




終了後は打ち上げへ。卒論執筆の苦労、やり抜いた今の感想などを語り合い、ねぎらい合いました。がんばる二人の 姿は後輩にも刺激になった様子。

最初に書いた通り、東経大の教養系ゼミでは、総合教育研究という科目で卒業論文を書くことができます。論文としてまとまった分量の文章を書く(おそらく)人生最初で最後の機会。大学の学びのまとめとして挑戦してみませんか? 卒論執筆をがんばることで、かけがえのない達成感を得られる。それを目の当たりにした今日の発表会でした。

2014年2月13日木曜日

TKUサイエンスツアー in Tsukuba

自然の構造と科学論担当の榎です。26日(木)に、学内GP採択企画「TKUスーパーサイエンスシリーズ」の一環のサイエンスツアーとして、茨城県つくば市にある土木研究所、航空宇宙開発研究機構(JAXA)、理化学研究所(理研)の3つの研究施設の見学に行ってきました。参加者は、学生さん20名、教員3名(大久保、新正、榎)でした。

模擬トンネル内にて
老朽化し崩落した橋の橋桁
東京駅から貸し切りバスで出発し、初めに、国土交通省所轄の「土木研究所のつくば中央研究所を訪れました。広大な敷地の中に様々な施設があるのですが、今回はそのうちの3か所を見学させてもらいました。まず、トンネル内の照明や排気の研究を行う施設を見学しました。実物大の模擬トンネルがあり、その中でバスを燃やして、熱と煙がどのように拡散していくのかを調べる実験も行われたそうです。次に、道路橋の安全管理の研究を行っている「構造物メンテナンス研究センターの施設を見学しました。現在、日本の土木構造物の多くは建設後50年を過ぎ、老朽化が進んでいるため、構造物の安全性を正確に診断し、メンテナンスをする技術の確立が急務となっているとのことです。今回は、構造物の安全性を診断する技術の研究のために、各地から集められた老朽化した様々な橋梁の構造物を観察しながら、メンテナンスの重要性と苦労について学びました。最後に、実際に自動車を走行させて様々な試験を行う全長約㎞の試験走路をバスで走行しながら見学しました。ハンドルを切らずに曲がることができる傾斜30度あまりのカーブなどがある、興味深い施設でした。
試験走路の傾斜約30度のカーブ

次に、JAXAの「筑波宇宙センターへ向かいます。ここでは、職員用の食堂で昼食を取った後に、人工衛星の試験モデルやロケットエンジンなどを見て宇宙開発について学ぶことができる展示館の見学をしました。なお、職員用食堂は、現地で手続きをすれば一般の人でも利用できます。



国際宇宙ステーションへ物資を輸送する宇宙船「こうのとり」

最後に、理研の「バイオリソースセンターを訪問しました。「理化学研究所(理研)は、物理学・化学・生命科学・工学・計算科学など幅広い分野の自然科学の総合研究所で、日本各地に研究施設を持っています。今回見学したバイオリソースセンターは、医学や生物学といった生命科学の研究に必要不可欠な、実験動物や植物、細胞や遺伝子、そして微生物などのバイオリソース(生物遺伝資源)の収集・開発・保存を行い、国内外の研究機関へ提供を行う施設です。まず初めに、遺伝子組み換え実験のためのP4実験室を見学しました。P4実験室とは、危険な細菌やウィルスを扱うために、最も厳重に安全管理がなされている実験施設です。また、実験に放射性物質を使用するため、放射線管理区域にもなっています。とはいえ、現在、P4実験室は使用されておらず、放射性物質を使った研究も行われていないため、安全に見学することができます。次に、様々な細胞を培養・保存している細胞材料開発室を見学しました。ここでは、最近話題の万能細胞である、ES細胞iPS細胞STAP細胞とは、それぞれどういったもので、どういう違いがあるのかを分かりやすく解説して頂けました。
放射線管理区域です
P4実験室内にて




 細胞を‐196℃で冷凍保存している容器

その後、一部の参加者が下車する東京駅を経由して、東経大に帰ってきました。見学したそれぞれの施設で、解説して下さった方々に色々質問をしていた学生さんが多かったのが良かったと思います。最後に、ツアーの実施に協力を頂いた方々、特に本学の学習センターのみなさんに、深く感謝いたします。