地球の科学担当の新正です.6月25日に久しぶりにTKUサイエンスカフェを実施しました.コロナ禍の中,カフェといいつつお茶もお菓子もないオンライン開催でしたが学生20名をはじめ,多数の方にご参加いただきました.
今回は神奈川県温泉地学研究所の萬年一剛さんに「火山の監視とテクノロジー」というタイトルでお話しいただきました.基本的な背景知識から説き起こしてホームグラウンドの箱根火山,特に2015年噴火に関するお話を中心にご紹介いただきました.かつては火山の地下で起こる地震観測が主であったのが,加えてGNSS(GPS)や人工衛星で捉えられる山体の膨らみなどで活動の前兆が見えるようになってきたこと,地下の探査の進歩で箱根火山の下のマグマだまりや熱水,変質帯が見えてきたことなど,豊富な話題を紹介していただきました.防災面での実地のご経験に基づくお話や,ブラタモリご出演の際のタモリさんのエピソードなどを巧みに取り込んだ興味深い講義をいただきました.
講義終了後に学生から鋭い質問がなされ,終了予定時間を超えてオンラインでの対話が続き,充実したカフェとなりました.
なお,講義部分については見逃し配信が行われます.詳細は追って学習センターからTKUポータルで案内されます(学内限りです).
私が担当している総合教育演習では萬年さんのご著書「最新科学が映し出す火山 その成り立ちから火山災害の防災、富士山大噴火」を遠隔授業期間中に輪講していました.
こちらは東経大図書館にも所蔵されているので,火山や火山の防災に関心のある方は,ぜひご一読ください.
これは火山のイメージ画像です(アメリカ西海岸のシャスタ山) |
ご多忙の中,楽しい講義を行ってくださった萬年さんと,今回もサイエンスカフェとしての開催にお力添えいただいた,学習センターの皆さんに重ねて御礼申し上げます.