2020年2月5日水曜日

英語FDミーティング第二弾
CEFR(セファール)ワークショップ開催!

 英語・言語学担当の小田登志子です。期末定期試験が終わった2020年2月1日に,2019年度の英語FDミーティング第二弾として,CEFRワークショップが開催されました。今回はゲスト講師として茨城大学の永井典子先生と東海大学のジェームス・ダン先生をお迎えしました。

 センター英語グループでは,英語科目を担当する教員全員を対象とするFDミーティングを1年に1~2回行っています。この日も約30名の英語の先生方がFDミーティングに参加しました。

英語の先生方が多数参加しました
グループ活動にトライ!

 CEFR(セファール)とはCommon European Framework of Reference for Languages(ヨーロッパ言語共通参照枠)の略語です。CEFRは外国語学習者の習得状況を示す際に用いられるガイドラインで,習熟度をA1~C2までの6段階で表します。欧州から使用が広まり,現在では世界各国で用いられています。日本の大学生が使用する英語テキストにも「CEFR B1 Level」といった表示があるのを見たことがある人もいるかもしれません。

 CEFRは最近の日本の英語教育において重要なトピックの一つとなっています。というのも,CEFRは学習者の習熟度やテキストのレベルを判断するなど,様々な場面で用いられるようになったからです。文科省が進めている大学入試改革においても,英語外部検定試験対照表の基準として使われています。

 永井典子先生からは,CEFRについての詳しい解説が行われました。ジェームス・ダン先生からは東海大学で行われているCEFRを活用したカリキュラムの紹介がありました。

講師の永井典子先生
講師のジェームス・ダン先生

 休憩時間にはコーヒーやお菓子を囲んであちこちでおしゃべりの花が咲きました。非常勤の先生方は決まった出講日があるため,FDミーティングは普段顔を合わせる機会がない先生方と交流する貴重な機会となっています。

コーヒーとお菓子で一休み
 「お久しぶりですね!」

 このFDミーティングを企画・運営したのは英語特任講師の小坂恵理子先生,小林かおる先生,ステファニー・トゥンチャイ先生,堀口優子先生です。先生方のご活躍で実り多いワークショップになりました。

(左から)英語特任講師の小坂先生,小林先生,
トゥンチャイ先生,堀口先生。ご苦労様でした!

 センター英語グループは今後もFDミーティングを通して教育技術の向上を目指すとともに,教員間での交流を深めていきたいと考えています。

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 英語FDミーティング第一弾  Propell Teacher's Workshop開催

2020年1月11日土曜日

雅な古典遊戯~投扇興ワークショップ~

 日本文学(古典分野)担当の上野麻美です。 皆さん、令和になって初めてのお正月、いかがお過ごしでしたか? 私の子供のころ(昭和ですよ!)は、お正月の遊びといえば、かるた・すごろく・凧あげなど、江戸時代以来の古典的な遊びがまだ人気を誇っていました。令和の子供たちのお正月遊びはどうなのでしょう?家のリビングでAI相手にゲーム、なんていう日がすでに到来しているのかもしれませんね。

 さて、私の担当する「総合教育ワークショップ(くずし字いろは入門)」では、毎年、冬休み明けに「投扇興」のワークショップを実施しています。今年も、お正月気分がほんのりと残る1月9日、学内唯一の和室に緋毛氈を敷き、琴の音でも聞こえてきそうな気分の中で、優雅な古典遊戯を体験しました。


 投扇興とは、台(枕)に載った的(蝶)をめがけて扇を投げ、的と扇の落ち方で点数が決まる、優雅なゲームです。人々が熱中しすぎるというので、幕府がたびたび禁令を出したほど、江戸時代に大流行した遊びです。明治以降は花街や寄席での遊びとして伝わってきました。近年、この古典遊戯を復活させるべく、いくつかの流派が立ち上げられ、『源氏物語』や『百人一首』などの古典文学にちなんだルールや点数表が整備されました。

  「くずし字いろは入門」は基本的な変体仮名の読み書きを練習する授業ですが、その集大成として「変体仮名で書かれた投扇興の点数表(『源氏物語』形式)」が読めるように訓練します。そして、その訓練の成果を試す機会が「投扇興ワークショップ」です。ワークショップには、毎年、投扇興の流派の一つ「都御流(みやこおんりゅう)」の家元、小林粋扇先生をゲスト講師としてお招きし、競技のルールなどをご指導いただいています。今年は受講生32名に加え、関口和代先生とそのゼミ生のゲスト参加もあり、総勢35名で賑やかに開催しました。

 新年の晴れやかな良き日、『源氏物語』に思いを馳せながら、皆で過ごした楽しいひとときでございました。皆さんにとっても、よい一年でありますように。

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 体験授業―雅な古典遊戯「投扇興」を楽しむ

2019年12月25日水曜日

TKUサイエンスカフェ「砂の”声”を聞く」

 自然の構造ほか担当の榎基宏です。12月20日(金)に、学習センターにて開かれたTKUサイエンスカフェの報告です。今回の講師は、立正大学地球環境科学部地理学科宇津川喬子さんで、「砂の”声”を聞く」というタイトルでお話しされ、20名近くの方が参加しました。



 講師の宇津川さんは、今年度より、本学で自然地理学の講師を勤めておられます。今回のサイエンスカフェのテーマは、宇津川さんの専門である「砂」でした。「砂」がどのように生まれ、どのように運ばれたのか、を研究することで、どういうことが分かるのかについての科学的な解説をした上で、現代の日本が抱えている「砂」が係わる社会的問題についてお話しくださいました。

 サイエンスカフェは、お菓子を食べ、お茶を飲みながら、最先端の科学研究を気楽に学ぶ場です。本学では、2011年度から、「TKUサイエンスカフェ」と銘打ったサイエンスカフェを開催しています。

参考)これまでのTKUサイエンスカフェのレポート(2017年度以降)
 2017年度第1回「映像世界と身体感覚

 2017年度第2回「時間とは何だろう
 2018年度    「静電気と放電

2019年12月18日水曜日

2019年度「総合教育演習ゼミ報告会」レポート

 12月14日(土)に、全学共通教育センターに所属する教員が担当する「総合教育演習」のゼミ報告会が開催されました。今年度は12ゼミが参加し、発表件数は25件にのぼりました。発表件数が昨年より増えたため、今年度は3会場に分かれての報告会となりました(昨年度までは2会場)。

  総合教育演習のゼミのテーマは、人文学・社会科学・自然科学などなど非常に幅広く、そのため、発表は、内容・スタイル共に各ゼミの個性を反映した、多彩な報告会となりました。報告会終了後は、進一層館交流ロビーで懇親会が行われました。立食のもとで、発表時の質疑応答の続きが行われたりなど、大変盛り上がりました。


  このような報告会で発表すること、そして他のゼミの発表を見ることは、自分たちのゼミ活動を振り返ることにつながります。今回の経験を今後に活かしていってほしいと考えます。「自然の構造」他担当の榎基宏が記しました。


*関連記事
2019年度「総合教育演習ゼミ報告会」のご案内  
2018年度「総合教育演習ゼミ報告会」レポート 
2017年度 総合教育演習「ゼミ報告会」を行いました 
2016年度 総合教育演習「ゼミ報告会」を行いました
2015年度 全学共通教育センター ゼミ報告会が行われました
2014年度 全学共通教育センター ゼミ報告会レポート 
2013年度「総合教育演習」ゼミ研究報告会のご案内  

2019年12月10日火曜日

2019年度「総合教育演習ゼミ報告会」のご案内

 来る12月14日(土)の13:30より、1号館3階A308、A309、A310教室にて、総合教育演習ゼミ報告会を開催します。「総合教育演習」は、全学共通教育センターが開講している教養を学ぶためのゼミで、人文学、社会科学、自然科学の幅広いテーマを対象とする個性豊かなゼミがそろっています。今年度は12ゼミが参加、25ユニットの発表が予定されています。

 このゼミ報告会は、本学在学生はもちろんのこと、在学生の保護者や、高校の先生・生徒・保護者の方々にも公開しています。申し込み不要、出入り自由です。当日は、経済学部のゼミ研究報告会(2号館1,2階)と経営学部のゼミ研究報告会(1号館3,4階)も行われます。これらの会場にも自由に出入りして参観することもできます。

 ゼミ選び中の在学生の方、大学での学びに興味のある方、多くのご来場をお待ちしています。

(参考)昨年度のゼミ報告会の様子
       ・2018年度「総合教育演習ゼミ報告会」レポート

2019年12月3日火曜日

最近の図書館いろいろ

 倫理学とフランス語担当の相澤伸依です。この秋冬も図書館で選書展示を企画しました。

  一つ目は「食の本」展示。五人の同僚と一緒に食をテーマにおすすめの本を選び、展示しています。 選書展示を通じて、自分一人では出会えなかった本に出会うことが嬉しく、また同僚が紹介した本を読んで同僚の人となりを知るのが楽しい。それがモチベーションとなって毎年展示を企画しています。いわば私の楽しみに協力してくれる同僚には感謝しかありません。

図書館ご担当者の手の凝ったPOP
本棚の様子
 









 もう一つの展示は、11/26に実施したブックトーク「急に具合が悪くなる」との連動選書です。同イベントのゲスト磯野真穂さん(人類学者)と私の二人で、おすすめの本を選びました。 磯野さんは、宮野真生子さん(哲学者)との共著『急に具合が悪くなる』(晶文社)を今年9月に出版されました。この本は、癌を患い死を前にした宮野さんと磯野さんによる往復書簡をまとめたもの。悲しい闘病記ではなく、病と死を背景に展開する奇妙な思想書です。宮野さんは闘病の末に7月末に逝去され、この本は死後出版となりました。私にとって、宮野さんは優れた研究仲間であり大事な友人でした。彼女の最後の思索をぜひとも多くの学生に伝えたいと思い、このイベントと選書展示を企画した次第です。 展示では、同書の提起する問題について考察を深める材料になる本を並べています。

ブックトーク当日の様子
宮野さん、磯野さんのお仕事も紹介しています

 「食の本」展示と「急に具合が悪くなる」展示、いずれも、図書館一階ブックウォールDで展開中です。夜が深まるこの季節、本に出会う機会にしていただければ幸いです。

2019年11月29日金曜日

青少年の成長を支える

 心理学ほか担当の大貫敬一です。前々回(10/16)の記事で野田淳子先生が特別授業「多様性社会に資する心理支援を実践する b」の授業を紹介していますが、今回はその続きを取り上げてみましょう。特別授業ではテーマごとにゲスト講師を招いて、現場ではどのような実践がなされているのか講義をしていただいています。11/18の回では「青少年と心理支援」のテーマのもと、NPO法人「青少年の居場所 キートス(kiitos)」代表の白旗眞生さんに「生きづらさを抱えている若者たち」と題してお話をしていただきました。

キートスの白旗眞生さん

 その内容に入る前に、皆さんが知っていることから考えてみましょう。「子ども食堂」が全国に広がっていることを知っていますか?それはどうしてでしょうか?何が課題になっていると思いますか?「貧困」、「格差」・・・といったことが思いつくと同時に、何らかの事情で皆が一緒に食事をすることができない「家族」の現状があることも想像できると思います。

 キートスは京王線沿線のマンションの2階にあります。一度訪問したことがあるのですが、夕方、3,4人のボランティアの方々が食事の用意をしていました。子どもたちに温かく栄養豊富な食事が提供されています(NHKの番組「絶品!東京リアルめし」で紹介されました)。

 しかし、文字通り食事を提供しているだけではありません。白旗さんは授業の中で「皆で食事をしていると自然に自分のことを話したくなりませんか」と学生に問いかけていました。子どもの頃に家族で食事をしながら「今日学校でこんなことがあった」と話す家庭の雰囲気を、子どもの頃も、そして現在も十分に味わうことができなかった子どもたちがいます。食事風景は家族の絆、家庭の温かさ、安心の基盤なのに、です。

 キートスでは、来るときは靴を脱いで上がって「ただいま」「おかえり」、出かけるときは「行ってきます」「行ってらっしゃい」と、できるだけ「家」のように感じられる居場所になっています。ここを訪れるのは、人との関わりがうまくいかなかったり、一筋縄ではいかない複雑な家庭環境で育つなど、「生きづらさ」を感じている青少年たちです。そのような青少年たちがスタッフに相談したり、仲間をつくったり、「誕生日会」を開いてもらったり、勉強を教えてもらったり(学習支援)、進学や就職の手助けをしてもらったりしています(教育支援・就職支援)。白旗さんは、そのような活動を青少年に「とまり木」を提供していると表現しています(NHKの番組「“止まり木”におかえり~東京調布・居場所支援を見つめて~」で紹介されました)。

 白旗さんはキートスを開設したきっかけについて、青少年は基本的に18歳になると自立する前提で法律や制度がつくられているが、現代社会では実際に18歳で仕事に就いてしっかり自立できるほど社会環境は甘くないし、精神的に未成熟な若者は少なくない、そこで18歳を超えても安心していることができる「居場所」を提供したいと考えたと語っていました。

 心理学では、精神分析理論でも愛着理論においても、人との関係において安心や信頼を感じることによって初めて次の段階に進むことができる(自立する、世界を広げる)と考えられています。精神的な意味での青年期は10歳から12歳ごろに入り、20代から30才頃までに通過していくと考えられていますが、その時期は自分の世界を造り自立していく大事な時期であると同時に、不安定で不安な時期でもあります。また、ハシゴをかけて高いところに登ろうとするとき、まずハシゴがしっかりしているか確かめるように、青年は自分自身を確かめながら次の段階に進もうとします。キートスは、そのような時期にある青少年の心身の成長を支える居場所や人との関わりを提供しているのだと思います。

 アイデンティティという概念を提唱したE.H.エリクソンは、アイデンティティの獲得とは、社会の中に心理的にも自分にピッタリな「居場所」を見つけること、と説明しています。まず「止まり木」を提供し、そこから自分にとっての社会の居場所を見つけて巣立っていく手助けをすることは、青少年の心理支援としてとても大事な仕事です。

 ところで、経済、経営、法律、行政などを学んでいる学生は、様々な支援を提供しているキートスがどのように運営されているのか興味深く感じると思います。運営資金は、個人の寄付金や賛助会会費、市の補助金や民間機関からの助成金や寄付金、フードバンクからの食品提供などで支えられ、活動に関しては様々な立場や年齢の多数のボランティアに支えられています。行政は制度上の制約や財政的な理由からこのような場を提供することができず、NPOに委託したり補助金を出しているのが現状かも知れません。そのような観点から支援の在り方について考えることも重要です。キートス(kiitos:フィンランド語で「ありがとう」)や青少年の支援に関心のある方は、キートスのホームページなどを手掛かりにぜひ調べてみてください。

授業の様子

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