6月25日に今年度3回目の読書会が行われました。ファシリテーターを担当しました板橋です。今回のお題本は、ジャレド・ダイアモンドの『文明崩壊』でした。
Amazonの歴史・地理ランキングにおいて、ジャレド・ダイアモンドの出した本が、現在の、1位、2位、4位、6位となっていまして、まさにベストセラー作家です。『文明崩壊』は上下巻に分かれた大著ですので、一回で全部は無理。今回は上巻のみをお題本としました。参加者は学生一名と教員三名と私の五人です。
図書館二階のリフレッシュ・スペースを使い、グアテマラ産の「究極のコーヒー」を味わいながらの読書会です。なお、後期には、「至高の紅茶」が提供される読書会を予定しています。もちろん、その回は紅茶と関連する本になります。
コーヒーが供されました! |
ファシリテーターとしては失格かも知れませんが、私もすぐに「議論の整理役」をほっぽり出して、議論に参加しました。「なぜ、過去の人は文明崩壊に最後まで気がつかなかったのか」、「自分達の文化圏の最後の1本の木を切り倒すとき、その人はどんなことを感じたのだろうか」、「なぜ、その文明の指導者達は、自分達の文明の存続ではなく、崩壊につながることが、ほとんど自明の決断をしたのだろうか」。
リフレッシュスペースでの開催 |
まさに読書会らしい読書会で、私は楽しみながらも「これイベントにしたら十分お金取れるな」とか思っていたわけですが、やがて、リフレッシュルームには我々以外誰もいなくなり、楽しい読書会もそろそろ終了しなくてはいけません。
一応、読書会のまとめとして、結論めいたことを話し始める私ですが、誰も納得してくれません。「これ、下巻読んでもう一回読書会しましょう」、私以外の全員がそう結論して、私の最初のファシリテーターは終わりました。
ファシリテーターとしてはどうだったのかは分かりませんが、参加者が皆、下巻まで読みたいと思ったことは、読書会としては、大成功だったのだと思います。
皆さんも、こんな激論飛び交う読書会に参加してみませんか?お問い合わせは図書館カウンターまで。
P.S この記事を書いている6月27日に、EUが財政危機に直面するギリシャへの金融支援の延長を拒否しました。これで、ギリシャは国家の財政破綻(デフォルト)に陥る危険性が非常に高くなりました。
なぜ、ギリシャの人々は、財政破綻に至るまで状況を悪化させていったのでしょう。ギリシャの指導者達は、なぜ、財政再建ではなく、時間稼ぎを選択したのでしょう。EUの人々は、ギリシャの財政破綻がどのような影響を世界経済に及ぼすか分かっていないのに、なぜ金融支援の終了を決断したのでしょう。
イースター島の文明崩壊の道筋とあまりにも似たこの状況を見ると、我々の文明は、古代から本質的なところでは進歩していないのではないかと思いました。
参考:
「読書会とBBQ」(2015年度第2回読書会の模様)
「堺学長読書会『本日は、お日柄もよく』」(2015年度第1回読書会の模様)