2015年7月3日金曜日

フランスより2 ピクニックの季節

国外研究員としてパリに滞在中の相澤です。フランスに来て早3ヶ月が経過し、生活にも慣れてきた、いや満喫しているところです。春から夏にかけてのフランス生活を象徴するキーワードは「ピクニック」。その心は?をテーマに記事を書いてみます。

午後九時の風景。
ピクニックする人がたくさん。
日本で大人になってから「ピクニック」という言葉を使う機会はあまりないと思うのですが、フランスでは極めて一般的な言葉です。"piqueniquer"(ピクニケ:ピクニックする)という動詞があるほど。意味するところは、公園の芝生などの屋外で人とご飯を食べつつ、飲みつつ、おしゃべりすること。食事と飲み物は、参加メンバー持ち寄りが基本です。

フランス人はピクニックが大好きなようで、公園には、休日だけでなく平日も人々が集っています。では、なぜフランスで人はピクニックをするのか?以下、私なりの分析です。

なぜわざわざ外に出たいのか?
理由1. 屋外で活動するのに適した気候。日が長い!虫がいない!
まず、春から夏にかけてフランスは日がとても長くなります。夏至直後の今だと、朝6時頃から明るくなり、夜は22時頃にやっと暗くなり始めるので、一日がとても長く感じられます。人間、明るいと活動的になるようで、出かけたり、公園でおしゃべりしたくなる。
さらに、乾燥気候なので、気温が高くても過ごしやすく、蚊などのイヤな虫もあまりいません。(蚊対策グッズなども売っているが、必要があると感じない。)
つまりは、屋外に気楽に出られる、出たくなる気候なのです。

サンマルタン運河。
うちからは遠いですが、
先日友人と散歩しました。
両岸はピクニックする人だらけ。
なら、レストランのテラス席に行けばいいんじゃない?
理由2.  外食が高い。
日本では、友人と集うとなれば居酒屋で宴会となるところですが、フランスでは外食すると日本よりもずっとお金がかかるのです。お昼でも15ユーロ、夜は20ユーロ以下でちゃんと座って食事するのは難しいと感じます。人気のある店はこれより高くなるでしょうし、飲み物代もかかってくるわけですから、けっこうな出費。友人や家族で気軽に集いたいとなれば、持ち寄りが望ましいわけです。

持ち寄りってめんどくさくない?
理由3. 「日常」を楽しむのが上手。
これは私がフランス生活でとても好きなところ。フランスでは、特別なことをして楽しむのは本当に特別な時だけで、普通の日は日常を楽しむのです。マルシェで食材を買って楽しむ、毎食の調理を楽しむ、おいしい料理を食べて楽しむ、食べながら会話を楽しむ。フランス人は、日々の普通のことを楽しむのがとても上手だと感じます。
ピクニックも特別なことではなく、日常の延長にある。みんなが家の食卓で食べる物をそのまま持ち寄って、賑やかにおしゃべりして、豊かな時間を過ごす。それだけのことで、めんどくさくもなんともないのですね。

寮の芝生広場にて。
先日私も友人と夜ピクニック(明るい20時に集合)をしました。私はトマトとモッツアレラのサラダ、ポテトサラダ、パテの缶詰、チェリーを、友人Nさんは野菜パスタとワインを、友人Aさんはパンと中華お惣菜を持ち寄り。食事のイメージ、伝わるでしょうか?直前にちらっと持ってくる物を打ち合わせたので、バランスのよいメニューになりました。「これどうやって作るの?」なんて料理情報を交換することもしばしば。

フランス的には、夏至を過ぎると夏が来た!となるらしい。まだ夏は始まったばかり。ここ数日、フランスは40度近い猛暑に襲われていますが、熱中症にならない程度にピクニックで夏を満喫したいと思っています。

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