2015年7月14日火曜日

トークイベント「宮澤賢治と星と石」

「地球の科学」ほか担当の新正です。

7月9日の夕刻17時より、図書館のブラウジングスペースで、「図書部」および「TKUサイエンス」によるトークイベント「宮澤賢治と星と石」を行いました。

昨年秋より6月初めまで、図書館入り口およびOPAC横のブックウォールで「宮澤賢治と不思議な石展」を行いました。それを受けて、自然に親しみ、石や星や生き物のことが作品に多数登場する宮澤賢治の作品世界について、文学・科学を専門とする教員が集まって、自由に語ろう、というものです。

まず図書館長でもある大岡玲先生が宮澤賢治の作品世界について熱く語られました。賢治の人物像からその作品群の特徴について、具体的な例を引きながら詳しく説明されました。

引き続き、新正が鉱物趣味の側面について、賢治の作品にも登場する鉱物標本の実物回覧を含めて話しました。

さらに宇宙物理学が専門の榎基宏先生が登壇されて、『銀河鉄道の夜』の一場面である教室での解説に触れつつ、天の川銀河の認識の話をされ、引き続きプラネタリウムソフトや10の冪乗(Powers of Ten)でのものの大きさの認識を経験できるソフトの紹介をされました。

4人登壇してトークショー。もう外は暗い。
ここで、研究用のクモの採集のため東経大キャンパスを訪れていた元現代法学部教員の中田兼介先生が飛び入りゲストとして加わられて、フリートークに移りました。そこで話は一気に生物のネタに移り、クモの体は死して腐るか?といった話から始まり、大岡先生から、賢治作品における動物や昆虫、植物の扱いについて、さまざまな側面から話題が振られ、トークが弾みました。その後客席からも多くの質問が寄せられ、とりわけ昆虫の振る舞いについての回答には感心されることしきりでした(アリは羽根のないハチ、であるとか、巣の外を歩いて餌取っているのはオバさんのアリである、などなど)。

キャンディ配布。
綺麗に包装していただきました。
天気が良ければ、日没の19時頃より図書館前に望遠鏡を出して惑星などを眺めることも企画していましたが、流石に曇天で残念でした。しかし、トークは19時半過ぎまで続き、終了後も、残った人々で感想戦が行われ20時を大きく回る行事となりました。


賢治についてはまだまだ語るネタは尽きず、また新たなイベントや展示を行いましょうと約して散会しました。

回覧した標本の一部
多数の学生・教職員にお運びいただきましたことに厚く御礼申し上げます。1期の「図書部」イベントはこれで全て終了ですが、2期も多様なイベントを計画しております。多くの方のご参加をお待ちしております。






【参考】
宮澤賢治と不思議な石展