2013年11月17日日曜日

「心理学b」でのゲスト講師

心理学の野田です。後期の「心理学b」の授業では、お二人のゲスト講師をお招きしています。

去る1029日は臨床心理士の松原絵美さんに、「世代間連鎖-そして、母になる」と題して、虐待等による暴力や支配の影響についてお話をして頂きました。重要なのは、虐待を受けた経験自体だけでなく、そうした経験の否認や被害的認知がさらなる虐待につながっていくメカニズムがあるということです。6ヶ月になる娘を持つ母として、育児・家庭・仕事などの生活で実感する喜びとストレスの両面について、母親・子ども双方の観点から率直かつ真摯に語る松原さんのひとことひとことに、学生たちは食い入るように聴き入っていました。

「愛情」という名のもとで行われる極端な過保護や体罰による「支配」は、学生たちにとって身近な問題として受けとめたようです。「(支配的な親にならないために)過去形で褒めるとはどういうことですか?」という学生からの質問に対する「できるから頑張りなさいではなく、できたことを褒める。あるがままの子どもの姿を認める」という松原さんの言葉には、授業後の感想文でも多くの学生の共感が寄せられました。学生達の感想文に丁寧なフィードバックまで下さった松原さんとの時間は、当日の授業中にずっと娘さんのおもりをして下さったパパの姿とともに、学生たちの心に深く刻み込まれたことでしょう。

次回のゲスト講師は、プレーリーダーの奥冨裕司さんです。
興味のある方は、1126日(火)1限にA405教室へどうぞ!

「共育の遊び場より~私(大人)と子ども達の育ち方」
奥冨 裕司 氏 (NPO法人・冒険遊び場の会)
 心が折れ(かけ)た事、ありますか?
 “better a broken bone than a broken spirit”. Lady Allen of Hurtwood (1897 - 1976) .

この言葉は遊ぶ事の重要性を端的に表現した名言の一つとして、世界中の冒険遊び場から支持を得ています。では、たかが遊びに『心』が引用されているのは何故でしょう?本講義では、冒険遊び場(国分寺市プレイステーション)の特質を理解し、共育現場で自己の育て直し真っ最中の私(プレイリーダー)と子ども達の情緒的、技能的成長過程を事例を交えて解説。心と遊びの関係性、遊びを介した共育の意義を考察します。