2015年1月22日木曜日

TKUサイエンスツアー 2014年度第1弾

 2014年度第1弾として、1月16日(金)に、茨城県つくば市にある国土地理院の地図と測量の科学館と農業環境技術研究所の2つの研究施設に行ってきました。参加者は、学生19名、教員2名(新正、榎)でした。
 
 東京駅から貸し切りバスで出発し、初めに、国土地理院の地図と測量の科学館を訪れました。ここは、地図や測量に関する歴史、原理や仕組み、新しい技術などが展示されている施設です。まず、科学館のスタッフの方の解説を聞きながら、館内にある日本列島が立体的に見える「日本列島空中散歩マップ」などを見てから、館外にある、日本列島付近の地球の丸さが実感できる、直径約22mの「日本列島球体模型」を観察しました。その後、各自で様々な展示を見学し、地図と測量について学びました。また、科学館の隣にある国土地理院の職員用の食堂で昼食も摂りました。なお、館外には、地図作りの測量の基準とするために、GPSの電波を受信する電子基準点と、天体からの電波をキャッチすることで大地の移動を測定するVLBIのための巨大なパラボラアンテナもあります。

「日本列島空中散歩マップ」観察中
 
電子基準点とVLBIの巨大アンテナ











 次に、農林水産省所轄の農業環境技術研究所を見学しました。ここは、農業と環境にかかわるさまざまな科学・技術の研究と開発を行っている研究所です。まず、「温室効果ガス発生制御施設」を見学しました。これは、農耕地から発生する温室効果ガスを測定して分析し、温室効果ガスの発生を制御する栽培方法の開発を行う施設です。 その後、「農業環境インベントリー展示館」で、研究で使用された様々な土壌や、昆虫、微生物の標本などを見学しました。土壌に合わせた栽培方法の研究や、昆虫と農業の関係などを学ぶことができました。

温室効果ガス発生制御施設内の農作物が発生するガスを集める装置
農業環境インベントリー展示館内で様々な土壌の特徴についての解説をして頂きました

 その次に、遺伝子組換え作物について、研究者の方からミニ講義を受けました。遺伝子組換え作物とは何か、生産の状況や安全性の評価の方法、遺伝子組換え作物と食糧自給との関係などについて学びました。この講義で予備知識を得た上で、最後に、「組換え植物隔離ほ場」を見学しました。ここは、遺伝子組換え作物を野外で試験的に栽培し、環境にどのような影響を与えるのか調べる研究施設です。栽培する遺伝子組換え作物やその種子が拡散しないように、木々やフェンスで周囲から隔離されています。見学の時は、土や種子が施設から外に出ないようにするために、靴に白いカバーを付けました。季節が冬なので、残念ながら、遺伝子組換え作物が生育されているところを見ることはできませんでした。しかし、ここで、解説して頂いた研究者の方々と学生達とのあいだで活発に質疑応答が行われました。遺伝子組換え作物について、その性質や栽培・管理方法についてだけでなく、国内外の農業経済に与える影響、販売方法と農家経営、安全・安心についての消費者コミュニケーション、規制のための法律など、本学の全ての学部の専攻領域にまたがる様々な問題が話題になりました。
 
遺伝子組換え作物についてのミニ講義
組換え植物隔離ほ場の入り口にて

組換え植物隔離ほ場内見学中。土や種子が隔離施設から外に出ないようにするために、靴に白いカバーを付けています。

 見学後、バスに乗って東京駅へ戻ってきました。最後に、このツアーの実施にあたって、多くの方々に協力して頂きました。深く感謝いたします。なお、ツアーの第2弾は、2月4日に行われます。