2014年2月13日木曜日

TKUサイエンスツアー in Tsukuba

自然の構造と科学論担当の榎です。26日(木)に、学内GP採択企画「TKUスーパーサイエンスシリーズ」の一環のサイエンスツアーとして、茨城県つくば市にある土木研究所、航空宇宙開発研究機構(JAXA)、理化学研究所(理研)の3つの研究施設の見学に行ってきました。参加者は、学生さん20名、教員3名(大久保、新正、榎)でした。

模擬トンネル内にて
老朽化し崩落した橋の橋桁
東京駅から貸し切りバスで出発し、初めに、国土交通省所轄の「土木研究所のつくば中央研究所を訪れました。広大な敷地の中に様々な施設があるのですが、今回はそのうちの3か所を見学させてもらいました。まず、トンネル内の照明や排気の研究を行う施設を見学しました。実物大の模擬トンネルがあり、その中でバスを燃やして、熱と煙がどのように拡散していくのかを調べる実験も行われたそうです。次に、道路橋の安全管理の研究を行っている「構造物メンテナンス研究センターの施設を見学しました。現在、日本の土木構造物の多くは建設後50年を過ぎ、老朽化が進んでいるため、構造物の安全性を正確に診断し、メンテナンスをする技術の確立が急務となっているとのことです。今回は、構造物の安全性を診断する技術の研究のために、各地から集められた老朽化した様々な橋梁の構造物を観察しながら、メンテナンスの重要性と苦労について学びました。最後に、実際に自動車を走行させて様々な試験を行う全長約㎞の試験走路をバスで走行しながら見学しました。ハンドルを切らずに曲がることができる傾斜30度あまりのカーブなどがある、興味深い施設でした。
試験走路の傾斜約30度のカーブ

次に、JAXAの「筑波宇宙センターへ向かいます。ここでは、職員用の食堂で昼食を取った後に、人工衛星の試験モデルやロケットエンジンなどを見て宇宙開発について学ぶことができる展示館の見学をしました。なお、職員用食堂は、現地で手続きをすれば一般の人でも利用できます。



国際宇宙ステーションへ物資を輸送する宇宙船「こうのとり」

最後に、理研の「バイオリソースセンターを訪問しました。「理化学研究所(理研)は、物理学・化学・生命科学・工学・計算科学など幅広い分野の自然科学の総合研究所で、日本各地に研究施設を持っています。今回見学したバイオリソースセンターは、医学や生物学といった生命科学の研究に必要不可欠な、実験動物や植物、細胞や遺伝子、そして微生物などのバイオリソース(生物遺伝資源)の収集・開発・保存を行い、国内外の研究機関へ提供を行う施設です。まず初めに、遺伝子組み換え実験のためのP4実験室を見学しました。P4実験室とは、危険な細菌やウィルスを扱うために、最も厳重に安全管理がなされている実験施設です。また、実験に放射性物質を使用するため、放射線管理区域にもなっています。とはいえ、現在、P4実験室は使用されておらず、放射性物質を使った研究も行われていないため、安全に見学することができます。次に、様々な細胞を培養・保存している細胞材料開発室を見学しました。ここでは、最近話題の万能細胞である、ES細胞iPS細胞STAP細胞とは、それぞれどういったもので、どういう違いがあるのかを分かりやすく解説して頂けました。
放射線管理区域です
P4実験室内にて




 細胞を‐196℃で冷凍保存している容器

その後、一部の参加者が下車する東京駅を経由して、東経大に帰ってきました。見学したそれぞれの施設で、解説して下さった方々に色々質問をしていた学生さんが多かったのが良かったと思います。最後に、ツアーの実施に協力を頂いた方々、特に本学の学習センターのみなさんに、深く感謝いたします。