2017年6月22日木曜日

今年も500人が日本語検定を受検

 去る6月10日土曜日、本年度第一回の日本語検定の学内団体受検が実施され、約500名の学生が挑戦しました。

 日本語検定は、日本語の総合的な能力を測る検定試験で、多くの学校や企業が採用しています。本学では総合教育科目「文章表現基礎Ⅰ・Ⅱ」の授業の一環として、これを採用しています。日本語検定を2009年度から導入し、今年で9年目の実施となりますが、履修した学生の努力が実り、成績優秀校としてこれまで何度も検定委員会から表彰されてきました。今年2月には、昨年度Ⅱ期履修学生の3級受検成績が高く評価され、「文部科学大臣賞」をいただきました。

 本年度もⅠ期・Ⅱ期合わせて、のべ約1000人の学生が日本語検定を受検します。受検対策の授業を通して、大学での学びに欠かせない、文章表現力や会話コミュニケーション力の基礎を、多くの学生たちが学んでいきます。その力は大学生活だけにとどまらず、就職活動のさいや、またその先の社会人生活においても、大いに役立つ貴重な財産となります。
 
 履修学生の文部科学大臣賞受賞を励みとし、私たち担当教員もより一層、充実した指導を行いたい思います。
















(文責:上野麻美:日本語関連科目担当)

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「日本語検定」団体表彰のご報告 

2017年5月31日水曜日

「ダンボールの街」に遊ぶ

 「心理学ab」や「発達と学習の心理」などを担当する、野田淳子です。GWも明け、真夏のような陽気ですね。同じく真夏日だった4月の連休前、市民フェスティバルの家族イベント「ダンボールの街」企画に、ゼミ生・教職課程の学生たちと参加しました。“子育て・子育ち”をめぐる支援と家族関係の心理学をテーマとする私たちのゼミに「ぜひとも参加して欲しい」と、NPO法人「冒険遊び場の会」の関係者からお声がかかったからです。

  3年前から始まったこの企画は、封鎖した公道で思い思いにダンボールで家などを建て、街と化した道路で遊ぶ1日限りの夢のような時間で、毎年楽しみにしている子どももいるようです。当日はスタッフとして、学生たちと国立の「ひかりプラザ」に朝8:30には集合! 前日の雨で道路にたまった水をコップで掻き出すことから、準備が始まりました。街ですから、町名や番地をつけて、住民登録をする町役場を作り、集めた大量のダンボールを用意し。と、準備を進めていくうちに、あっという間に10時。いよいよ、本編スタートです。

番地をつける
役場建設中


 
 





 


  続々と親子が集まってきて、ダンボールでなにやら真剣に作り始めます。できあがったのは家だけでなく、ロボットや乗り物など、実に様々です。学生たちも負けじと、子どもたちと一緒になって家を作ったり、リヤカー列車が走れば駅を作ったり。ダンボールカッターを持っているスタッフの学生たちは、助っ人としても引っ張りだこです。

どうしたい?
完成!私たちのお家












 自分たちの作った家でお昼を食べてひと休みした後は、「ステージ」と称した街中のスペースで子どもたちの“恋ダンス”やチャンバラが始まります。自分たちの家でごっこあそびをしたり、隣同士で家を訪ね合ったり、お店を開いたり。学生たちは「疲れたけれど楽しかった」「子どもたちの想像力、あらゆることを遊びに変えるパワーは凄い!」と、感心しきりでした。「支援」では「する側」と「される側」に分かれるのではなく、関わることで相互に新たな気づきがあり、「また関わりたい」と思える関係性を築くことが、何よりも大切なのではないかと考えています。

一戦?
輪投げで「遊び屋」営業中


  子どもたちは、自分たちと「対等に」接してくれる大人を求めています。そうした大人の胸を借りて、やりたいことを自分の力で成し遂げたかのように実感した体験が土台になって、自分の世界を広げていく力が育つのではないでしょうか。そういえば、禅の「無心」を“childlikeness”と訳したのは鈴木大拙でした。「子どものような心」を取り戻すとは、どういうことでしょうか? 次回に、また考えてみたいと思います。

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【学問のミカタ】大学には「宿題」はない!?

2017年5月25日木曜日

【学問のミカタ】噴火する火山を目の当たりにして

「地球の科学」ほか担当の新正です。

プコンから見たビジャリカ火山
今年度の「学問のミカタ」では、それぞれの研究分野で行っていることの紹介もおこなうということで、「地球科学」に関連して、野外調査での経験を記してみたいと思います。

この2月に南米チリの火山調査に行ってきました。当地の火山を10年以上にわたり研究しているグループの末席でサンプルの若干の化学分析を請け負っている立場で時に現地の調査にも参加させていただいています。

登山ツアーの宣伝
今回自分にとって目玉であったのは、常時活発に活動している火山の一つビジャリカ山(2860 m)に登って噴火の有様を目の当たりにすることができたことです。この山はここ数十年山頂のクレーターに溶岩湖をたたえ、日常は小規模な噴火を繰り返しています(時に大きめの噴火をおこしてクレーターから溶岩があふれ出ることもあります)。

そのような状況でありながら、活動が盛んな時期を除いて専業のガイドの案内のもとに誰でも山頂を訪れることができ(ただしかなり長い登山で山頂近くの氷河も越える必要がありそこそこの健脚が求められます)、麓のプコンの街(チリでも有数の観光地です)にはいくつもの登山ガイド会社が軒を連ねます。そこでは火山ガスや噴火の状況を見て、その日その日の登山の可否を判断しています。

山岳氷河を越えます
チリ・アルゼンチン国境のラニン火山
などが遠望されます

山頂で間欠的に起こる噴火の様子をしばらく眺めていて、少し怖い感じがしたのも事実です。経験のある人が状況を見て判断して登山を行なっているので、一般的に危険な事はないでしょう。実際、一緒に登ったビジャリカ山を長年監視している現地のアマチュア火山学者の方は、何十年も安全におこなわれているよ、と胸を張っていました。

しかし、同様に大変活動的な火山でありながら観光登山が行われているイタリアのエトナ山で、この3月にBBCのスタッフを含む登山客が噴石に巻き込まれるという事態が発生しています(動画含む報道)。

ビジャリカ山でもクレーター内で数分に一度程度起こる小規模な噴火を、クレーターの縁で多くの人々が眺めているわけですが、次の一発が気まぐれに少し大きめになり、人がいるところまで噴石が飛んでくる、という可能性は否定はできません。ただ、頂上で観察される光景は本当に素晴らしく、世界各地からこれを目当てに苦労して登ってくる人がいるのも頷けます。

大勢の人が山頂クレーターを覗き込む


溶岩湖がチラ見えしている
今後は、各地で採取したサンプルを分析して、マグマ生成への水の効果などを調べてゆきます。


今回の調査のビジャリカ山を含む一部行程には撮影クルーが同行していて、そこでの撮影を含めてチリ火山地帯を紹介する番組が先日BSプレミアムで放映されました。再放送もあると思いますので、ご覧いただけると幸いです。


NHK BSプレミアム 「体感!グレートネイチャー」
【学問のミカタ】生まれ月とスポーツ選手(経済学部)
【学問のミカタ】ショッパーマーケティング(経営学部)
【学問のミカタ】スポーツを通して自分を知る(コミュニケーション学部)
【学問のミカタ】刑法ってどう学んでいけばいいの?~2017~ (現代法学部)


2017年4月13日木曜日

「教養入門」開講

全学共通教育センターの科目の中から「教養入門」を紹介します。

これは1年生向け1期配当の科目で、水曜の1限、2限にそれぞれ3コマづつ開講しています。

なぜ3コマ開講か?
それは分野の違う教員3名がリレー形式でそれぞれのクラスを担当するためです。したがってどのクラスであれ3名それぞれの話(+ゲスト講師による講義)を聞くことができます。
ガイダンス風景
(各時限の担当者は水1が徐「人権論」「芸術学」ほか、野田「心理学」ほか、新正「地球の科学」ほか、水2が榎「自然の構造」ほか、早尾「政界政治論」ほか、大貫「心理学」ほか)
それぞれの分野の細切れの知識を教えるのではなく、各分野の立場から見た考え方や物の見方を伝えることを目指しています。

本日(4月12日)に初回のガイダンスを行いましたが、本体の授業は来週から始まります。2次登録が進みつつありますが、興味を持った1年生の方はシラバス等ご覧の上ご検討下さい。

水1チームのシラバス

水2チームのシラバス

2017年3月31日金曜日

語学学習のススメ2017

 新年度の履修登録が始まるのにあたり、東経大の語学科目の紹介をします。

 英語では、1年次必修の「英語コミュニケーションI・II」に加え、2年次以降に選択英語科目として、「Business English I・II」、「Academic English」、 「English & Culture」が開講されています。東経大のアドバンストプログラムの一つとして、実践的な英語能力を養う「英語アドバンストプログラム設置されています。ベーシック科目には、1年次に、必修の英語クラスに合ったレベルで基礎を固める「総合英語セミナー I~IV」、2年次以上で英語の検定試験でのスコアアップを目指す「TOEIC I~III」があります。語学科目ではありませんが、英語を使って様々なテーマに触れる「英語で学ぶ教養」という演習科目もあります。

 英語以外に、選択語学科目として、「ドイツ語」、「フランス語」、「スペイン語」、「イタリア語」、「中国語」、「朝鮮・韓国語」、「日本手話」が開講されています。選択語学科目には1年次以上が履修できる初級と、2年次から履修できる中級があります。これらに加えて、特別語学として、2017年度は、アラビア語」、「タイ語」、「ポルトガル語」、「ロシア語が開講されます。選択語学は、大学で新しいことを学んでみたい人にオススメの少人数授業です。

 さらに、東経大には、大学が指定した語学検定等について、一定以上のスコアや級を取得すると、卒業単位として認定される制度(「資格・検定に関する科目」単位認定制度)があります。また、指定された語学検定に合格した場合、受験料実費を大学が支給する制度(多言語検定受験料助成制度)もあります。

 以上で紹介したのは、全学共通教育センターが提供する総合教育科目の語学科目です。この他に、各学部が提供する科目の中にも、英語などの外国語を使って学ぶ専門科目や、英語をより深く学ぶ専門科目など、語学に関係するものが用意されています。

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2017年3月23日木曜日

【学問のミカタ】いつでもそうだとはかぎりませんよ

 教養講義科目の「自然の構造」ほか担当の榎です。さて、今回の学問のミカタのテーマであるSNSとはいったい何でしょうか?SNSは、スロヴァキアの右派民族主義政党の「スロヴァキア国民党(Slovenská Národná Strana)」の略号です。「SNSって、Social Network Service のことでしょ!」と思う人が多いかもしれませんが、いつでもそうだとは限りませんので注意が必要です。勝手な思い込みで考えると間違えます。そういえば、セルビアの与党第一党の「セルビア進歩党(Srpska Napredna Stranka)」の略号もSNSですね。「セルビア進歩党は、『進歩』と名乗っているのだから、左派の政党だ」と思う人がいるかもしれません。しかし、実際は、左派ではなく右派政党なのです。かつて、カナダには、「カナダ進歩保守党(Progressive Conservative Party of Canada)」という、長年二大政党制の一角を占めていた政党がありました。「進歩」と「保守」は相反する政治の立場だと思ってしまう日本の感覚からすると、どういう政党かよく分かりません。どうやら、「progressive(進歩)」と「conservative(保守)」は、単純に相反する立場ではないようですね。

 
SNS」が「Social Network Service」を指す場合もあれば、「スロヴァキア国民党」を指す場合もあるように、「いつでもそうだとは限らない」のが現実です。「こうに違いない!これが絶対に正しい!これは常識だ!」と単純に思い込んだり、勝手に決めつけてしまったりすると、勘違いして真実が見えなくなって、間違ったり、失敗することがあります。このような失敗をしないためには、「常識というのは立場や時代、地域によって変わることもある」、「正しいはずだが、ひょっとすると違うかもしれない」、「自分の知らない、気づいてない、別の可能性があるかもしれない」などと考えること、つまり、「いつでもそうだとは限らない」と考えることが必要になります。実は、このように考えられるようになることが、「教養」を学ぶ意義なのだと、私は思っています。

 在野の言語学者・哲学者であった三浦つとむの著書に「1たす1は2にならない」という本があります。この本では、多くの人が体験する様々な失敗の事例を分析し、失敗から学ぶことで、同じ失敗を繰り返さないようにするにはどうしたらよいかが説かれています。とても面白くて、おすすめです。この本の最後のまとめに当たる部分から一部引用します。
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ふりかえってみると、この本ではずいぶんさまざまな問題をとりあげてきました。
(中略)

自然にある水は飲めますか?
「いつでもそうだとはかぎりませんよ」

長崎というのは九州の地名ですか?
「いつでもそうだとはかぎりませんよ」

おとなの考えは子どもの考えよりも正しいですか?
「いつでもそうだとはかぎりませんよ」

自分が笑われたのは嘲笑されたからですか?
「いつでもそうだとはかぎりませんよ」

ころんだ人には手をさしのべるのが正しいのですか?
「いつでもそうだとはかぎりませんよ」

目で見ることも手にとることもできないものがあると考えていいですか?
「いつでもそうだとはかぎりませんよ」

一度起こったことはまたくりかえすと考えていいですか?
「いつでもそうだとはかぎりませんよ」

地下鉄は地の下を走りますか?
「いつでもそうだとはかぎりませんよ」

「純粋」なことはよいことですか?
「いつでもそうだとはかぎりませんよ」

距離の近いところを行けば早くつきますか?
「いつでもそうだとはかぎりませんよ」

1たす1は2になりますか?
「いつでもそうだとはかぎりませんよ」

 オヤオヤ、答えはみんな同じになりました。「いつでもそうだとはかぎりませんよ」というのは、私たちがものごとを考えるときにいつでも欠くことのできない、基本的な考え方のようですね。
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 失敗から学び、失敗を繰り返さないためには、「いつでもそうだとはかぎりませんよ」と考えること、つまり、教養が必要だということですね。

参考文献
中東欧・旧ソ連諸国の選挙データ
ポスト社会主義国の選挙・政党データ(ベータ版)
・三浦つとむ著「1たす1は2にならない」明石書店 2006年
  この本は、本学の図書館にも収蔵されています。


【学問のミカタ】3月のテーマ「SNS」
・経済学部ブログ「つながることで増える価値
・経営学部ブログ「スキップされるテレビCM(T_T)
・コミュニケーション学部ブログ「#春から○○
・現代法学部ブログ「SNSは社会の窓 ~学生の皆さんに気を付けてほしいこと~

2017年2月20日月曜日

【学問のミカタ】英語学習のルール?

英語科目担当の中川知佳子です。
突然ですが、みなさんは英語を学習するときに、
どのような勉強方法を選んできましたか?
例えば、英単語はどう覚えてきましたか?

私が担当している総合教育演習(いわゆるゼミ)では
「英語学習を科学する」をテーマに、何となく選んでいる学習方法について、
「それは本当に効果的なのか」という疑問を持って研究しています。

さて、今回は「ルール」というテーマです。

英語のルールといえば何が思い浮かぶでしょうか。
真っ先に「文法」を思い浮かべる人がいれば、
必修英語科目の単位を取得しなければ卒業できない
・・・という大学の「ルール」を思い浮かべる人もいるでしょう。

第二言語習得という研究分野では
「規則/ルール」がつく専門用語はほとんどありません。
あるとしたら「文法」を指す場合でしょう。

研究においては、既に多くの人が同意するような説であっても、
「仮説(hypothesis)」のままであり、
数々の研究によって、常識だと思われていたことが覆ることもあります。

このようなケースに「日本人」が大きく関係している事例を紹介します。

「文法形態素の習得には自然な順序があり、それは普遍的である」という
自然習得順序仮説(クラッシェンという研究者が1977年に提唱)があります。
自然な習得順序は、次の通り。


習得の順番

文法形態素


進行形の-ing、複数形の-s、連結詞のbe


助動詞のbe、冠詞the/a


不規則動詞の過去形


規則動詞の過去 -ed、三人称単数現在の-s、所有の-'s

この仮説を知ると、
確かに、英語の3人称単数現在の-sを身に付ける(使いこなす)のは
難しいよね・・・と思えます。

けれど、日本人の場合、


という直感が働きます。

実際に、日本人英語学習者の習得順序を調べた研究では、
「自然な習得順序」と一致していませんでした。
日本人のデータから「普遍的である」という仮説は覆せそうです。

研究成果や時代のニーズによって、
「効果的な指導法(学習法)」と言われるものも、変化しています。

言語学習では「先生が言ったことが絶対!」ではありません。
教師も、自分が教わった方法や、体験した方法を教えがちです。
好みは人それぞれ。効果的な方法も人それぞれ。
「自分にとって効果的な学習方法は何か」を考えることが大切ですね。

ルールを守ることは大切ですが、
「常識」だと言われるものを疑うこと、確かめることも必要
・・・という話でした。

【学問のミカタ】2月のテーマ「ルール」
・経済学部ブログ「経済学とルールの関係性
・経営学部ブログ「実際の特長を広告で表現できない?!
・コミュニケーション学部ブログ「ルールブックにない"ルール"
・現代法学部ブログ「法も「ルール」~そんな「法」の学び方をお教えしましょう~