国立天文台正門にて |
国立天文台三鷹キャンパスは「常時公開」されており、一部施設の見学ができます。さらに、月に2回、望遠鏡で天体を見る「定例観望会」が開かれています。これらとは別に、年に一回、特別公開日である「三鷹・星と宇宙の日」があります。この時には、通常は見学できない施設も公開され、研究部署ごとの研究の解説展示や、講演会、天体観望会などが行われます。
TAMA300にて |
まず初めに私たちが見学したのは、「干渉型重力波アンテナTAMA300」です。これは、時空のゆがみが波として伝わる現象である重力波を検出するレーザー干渉計の開発のための施設です。レーザービームを通す300mの地下トンネルは壮観です。現在、ここで開発された技術をもとに、岐阜県の神岡鉱山跡で「重力波望遠鏡KAGRA」が建設されています。
先端技術センターにて |
放送衛星から送られてくる電波を中華鍋でキャッチしてBS番組を見る体験もしました。また、「天文データセンター」が行っている「銀河探しゲーム」にも挑戦しました。このゲームは、星空の画像をパネルに並べ、その中から指定された銀河を見つけ出すというゲームです。ここで使われている星空の画像は、ハワイにある「すばる望遠鏡」の新しい観測装置である「Hyper Suprime-Cam」で取得された非常に高品質のもので、天文データセンターでデータが公開されています。この他にも、いろいろな施設を見学したり、最先端の研究の解説を聞いて回ったりしました。
電波キャッチに挑戦中 |
銀河探しゲームに挑戦中 |
日が沈んだ後は、広場で天体観望を行いました。この広場では、いくつかの望遠鏡メーカー等が展示しているさまざまな望遠鏡を使わせてくれるため、望遠鏡の比較もできました。今回は、星空の撮影に挑戦したゼミ生さんもいました。
天文ゼミでは、例年、国立天文台の特別公開日に見学に行っています。その目的の一つは、最先端の研究の現場に行って、その空気を触れることです。なぜなら、実際に、現場で物を見て、人の話を聞くことは重要な経験になるからです。
・三鷹・宇宙と星の日2016見学報告