2016年4月27日22時の東京の夜空 南の空に木星、火星、土星が見えます。 「つるちゃんのプラネタリウム」を使って作成 |
「おとめ座やしし座がなぜ春の星座?」と思った方もいるかもしれません。星占いの生まれ月では、しし座は8月ごろ、おとめ座は9月ごろですから。これら生まれ月の星座は、黄道十二星座と呼ばれます。これは、天球面上を太陽が見かけ上移動する軌跡である黄道上にある13の星座のうちの12の星座のことを指します。「X月生まれはY座」というのは、「X月に太陽と同じ方向にあるのがY座」、というのが「本来」の意味です。ですから、その月の星座は太陽の方向にあるので、夜は方向が違いますし、昼は太陽の光が明るすぎますので、いずれもその月に見ることはできません。この十二星座が決められたのは古代メソポタミアのころと考えられています。ただし、地球の自転運動の歳差という自然現象が原因で、星座の見える位置や時期は、古代と現在ではズレていることに注意が必要です。
さて、おとめ座には明るい1等星のスピカがあります。スピカは、地球から250光年くらいの距離にある恒星で、我々の住む太陽系と同じく天の川銀河という恒星の大集団の内部にあります。おとめ座のある天域には、1300個以上もの銀河の巨大な集団である「おとめ座銀河団」があります。このおとめ座銀河団は、スピカや太陽系がある天の川銀河の外側のはるかずっと遠く、6000万光年のかなたに存在します。銀河団は、宇宙で最大規模の構造の一つですが、肉眼で見ることはできません。夜空をありのままに眺めても、真っ暗で何も無いように見えるかもしれませんが、実際は肉眼では見ることができない様々な構造が隠れています。何事でも同じですが、ありのままを見るだけでは本当のことは分からないのです。
【学問のミカタ】 4月のテーマ「春」
・経済学部ブログ 「誕生月と成績との関係とは!?」
・経営学部ブログ 「春に売れるものって何?」
・コミュニケーション学部ブログ 「春をつかまえる」
・現代法学部ブログ 「住民と市民 -『春』によせて-」