2015年9月8日火曜日

石垣島でゼミ合宿

 「自然の構造」の講義と総合教育演習の「天文ゼミ」を担当している榎です。今回は、天文ゼミの夏合宿の報告をします。今年度は、沖縄の石垣島にて、92日~5日と34日で合宿を行いました。

御神崎灯台から見た風景
1日目に、羽田空港を出発し、那覇空港で飛行機を乗り継いで石垣島に入りました。日が沈むころに、島の西の端に近い御神崎(おがんざき)灯台から少し離れた何の明かりもない所で、天体観察を行いました。なお、東経139.5度の東京に比べると、石垣島は東経124.2度とかなり西にあるので、この日の日没は19時ごろで、すっかり暗くなったのは20時過ぎでした(東京の日没は18時)。雲が出ていますが、晴れている部分から星々がたくさん見えます。天の川もはっきりと見えました。じっと眺めていると、人工衛星や流星も見られます。また、周囲の草むらに、ホタルのように光るけど飛ばない、何かの幼虫がぽつぽついます。後で分かったことですが、石垣島には、幼虫でも光るタイプのホタルがいるそうです。

石垣島天文台
 2日目は、フサキビーチで海水浴を楽しんだ後、石垣島天文台を見学しました。ここには、口径が105cmで、九州・沖縄地方で最大の望遠鏡である「むりかぶし望遠鏡」が設置されています。その次に、国立天文台VERA石垣島観測局の見学に向かいました(VERAについてはリンク先を参照してください)。ここには、直径20mの巨大なアンテナの電波望遠鏡が設置されています。日没後もここに留まり、天体観察を行いました。残念ながら雲が多かったですが、さそり座の全体をはっきり見ることができました。 
VERA石垣島観測局

むりかぶし望遠鏡
 3日目は、船で隣の竹富島へ向かい、水牛車に乗ったり、コンドイビーチで海水浴を楽しんだりしました。夜は、1日目に行った所で再び天体観察を行いました。この日は、1日目に雲で見えなかった北斗七星と北極星が見えました。東京は北緯35.6度で、石垣島は北緯24.4度なので、北極星は東京で見るより低い位置で見えます。この日も、天の川がはっきり見え、多くの星々を観察することができました。地面に寝転がって一晩中星を眺めていたい気分でしたが、残念ながら、しだいに雲が多くなって星が見えなくなってしまいました。
天の川
川平湾


 最終日は、川平(かびら)湾や底原ダム等を見学してから、空港に向かい、那覇で飛行機を乗り継いで羽田に戻ってきて解散、となりました。

 今回の合宿で石垣島に行った理由は、石垣島が「天文学者が選ぶ星空がきれいな場所ベスト3」に入っているからです(他の2か所は、長野県南牧村と岡山県井原市美星町)。今回は、一晩中すっきり晴れることはありませんでしたが、短時間でも素晴らしい星空を観察することができました。自然を相手にしていると、人間の考えた通りに物事は進みません(人間相手でも、なかなか進みませんが)。そういったことを実感することも、天文ゼミの学習の一環だと考えています。

2014年度 八ヶ岳山麓でゼミ合宿
2013年度 海外ゼミ研修 in Hawaii 
2013年度 海外ゼミ研修 in Hawaii (続)
2013年度 海外ゼミ研修 in Hawaii (続々)