ラベル 高津秀之 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 高津秀之 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2023年3月27日月曜日

2022年度「教養探求プロジェクト」修了式

 「外国史I」担当の高津です。

 3月23日(木)は、東経大は卒業式でした。卒業生の皆さん、おめでとうございます! そして同日、2022年度の「教養探求プロジェクト」修了式が行われました。

 教養探求プロジェクトは、教養系の学問分野の学びを深めようとする学生の皆さんをおもな対象として、2021年度からはじまりました。今回はこのプロジェクトの記念すべき最初の修了式、そしてその修了生は、教養探求プロジェクトの最初の修了生なのです。この栄えある教養探求プロジェクト修了生・第1号は・・・、塚本龍弥さん(榎ゼミ)です! 経営学部の塚本さんは、経営学部のゼミに所属し経営学を専門的に学ぶと同時に、教養系の総合教育演習の榎ゼミにも所属し、子どものころから興味を持っていたという天文学の研究に熱心に取り組みました。 その成果は卒業論文「NGC891銀河の質量の測定」としてまとめられるとともに、2月の卒論発表会(「総合教育研究」発表会)で報告され、参加者から高く評価されました。 塚本さんは見事に、東経大で天文学と経営学の「二刀流」を達成してくれたのです。 塚本さんは高井良センター長から修了証を授与された後、卒論発表会のときと同じように、堂々としたスピーチを披露して下さいました。「好きなことを学び、考え、発表す ることのできた大学生活、本当に充実した毎日でした!」と笑顔で語ってくれた塚本さん、本当におめでとうございます!
 
修了式にて


*関連リンク

2023年2月5日日曜日

2022年度「総合教育研究発表会」レポート

 2月3日(金曜日)、2022年度の「総合教育研究」の発表会が行われました。「総合教育研究」は、全学共通教育センターが開講する卒業研究・制作に相当するもので、2年次以降のゼミである「総合教育演習」で学んだ成果を発展させて、論文や制作にまとめあげるものです。2014年度より、全学共通教育センターの公式行事として発表会を開催しています。また今回、2021年度からスタートした「教養探求プロジェクト」の所属学生による最初の研究成果が発表されました。

 2020年度と2021年度はコロナ禍のためZoomを使用したオンライン開催となりましたが、今回は3年ぶりに対面で開催することができました。発表したのは、麻生先生榎先生小田先生早尾先生のご指導を受けた、4名の学生でした。1人あたりの発表時間は、質疑応答を含めて30分で、発表のタイトルは以下の通りでした。

発表(1):NGC891銀河の質量の測定〔榎ゼミ:2022年度教養探求プロジェクト所属学生〕
発表(2):リベラリズムの限界をめぐるサンデルの批判 ― 同性婚の問題を手掛かりに〔麻生ゼミ〕
発表(3):日本で“ソーシャルディスタンシング”ではなく“ソーシャルディスタンス”が多く使われる理由〔小田ゼミ〕
発表(4):データ至上主義を乗り越える生命論 ―英国の人類学者,ティム・インゴルド『ラインズ』のネオ・サイバネティクス的観点からの読解を通じて― 〔早尾ゼミ〕

 総合教育演習・研究の多様性を反映して、様々な分野の研究の発表がなされました。しかし、どの発表も、発表者の日本と世界の現状に対する問題意識と批判精神をうかがわせる密度の濃い内容であったと思います。

 発表された学生の皆さん、お疲れ様でした。皆さんの4年間の学びの成果をうかがうことができ、大変嬉しかったです。誇りと自信をもって、今後の人生を歩んでいって下さい。また、ご聴講いただいた先生・職員のみなさんに厚く御礼申し上げます。「外国史I」他担当の高津秀之が記しました。

・関連記事へのリンク 

2019年5月8日水曜日

読書最高!

「外国史」ほか担当の高津秀之です。2019年度の特別企画講義「書を読もう、図書館へ行こう!」では、毎回担当の教員が、自分にとって大切な一冊、お気に入りの一冊を取り上げて、本との出会いを語っています。5月7日は私の担当。J.R.R.トールキンの『指輪物語』についてお話をさせていただきました。

 皆さんが無人島に行く羽目になったとします。持っていくことができる荷物の量は限られていて、1冊しか本をもっていくことができません。皆さんは何を持っていきますか―、ありがちな質問。とはいえ、難問です。しかし、私は(あまり)悩まず、『指輪物語』を持っていくでしょう。講義では、この本の魅力について紹介するとともに、この本が私にどんな幸せをもたらしてくれたかについて話をしました。普段の授業ではなかなか自分の個人的な事柄について話したことないですから、実はとても緊張していたんです。ですが、講義の後、皆さんが書いてくれたコメントを読んで、とても嬉しくなりました。

「私もファンタジーが好きなので、楽しかった。」
「あまりファンタジーに興味がなかったけど、読んでみたいと思った。」
「ファンタジーを役に立たないというような、つまらない大人になりたくない。」
「ファンタジーの世界は決して意味のないものではなく、真の現実である―、深い話だと思った。」
「世界創造の魅力について。作者も読者もわくわくするものだと思う。」
「トールキンさんはすごい人だと思った。まさに神!」
「大学の先生が白紙のテスト用紙に書いたのがきっかけと聞いて、驚いた。」
「図書館へ行って、私も読んでみたいと思った。」
「ひさしぶりに読みたい本に出会えた。」
「私も小さいころ、何度も読み返してしまった本があります。」
「読書最高!」

・・・といった、たくさんの素敵なコメントをいただきました。感謝感激です。
講義の最後に、私は、マルセル・プルーストの「一生にただ三冊か四冊の本が、ほんとうに重大な何かを与えてくれる」という文章を紹介し、皆さんに問いかけました。
一生かかっても三冊か四冊か、コスパ悪いな―そう思うかもしれない。しかし、そういって図書館に行き、本を読むのをやめてしまったら、「三冊か四冊」どころか、一冊も見つからない。読書という「真実の生」を体験することはできない。さぁ、みなさんはどうする?

コメントの中に、それに対する答えを見つけました。
「私も運命の一冊と出会うために、まずはたくさんの本に触れるところから始めていこう。」
「本を読み続け、3、4冊の本と出会いたい。最初から負けたくありません。図書館に行きたいと思った。」
みなさんに私の「一生ものの本との出会い」体験を語ってよかったです(少し恥ずかしかったけど)。出席者の皆さん、コメントをくれた方々、どうもありがとう。また、こうした話をしたいものです。

現在図書館では特別講義の関連書籍を展示中です。
どれも名著!











私の『指輪物語』。是非手に取って下さい!









・関連記事
2019年度「特別授業」のご紹介


2017年12月18日月曜日

2017年度総合教育演習「ゼミ報告会」を行いました

 「外国史」ほか担当の高津です。12月9日(土)の午後に全学共通教育センターが開講する「総合教育演習」のゼミ報告 会が行われました。2012年に始まって以来、今年で6回目となるゼミ報告会ですが、全 学共通教育センターの「年末の恒例行事」としてすっかり定着したようです。今回は12 のゼミが参加し、2教室に分かれて発表が行われました。


発表の様子

 報告者の皆さんにとって、ゼミ報告会は1年間のゼミでの活動を披露し、自分の成長を実感できる大事な機会ですよね。普段は顔を合わせない学生や教員の前で自分の研究成果を報告し、相手からの質問に対して受け答えをする・・・・これが中々難しい。頭が真っ白になってうまく話せなかった、質問に何て答えて良いか分からなかった・・・などなど、後で反省したり、悔むこともあるかもしれません。しかし、終わった後の解放感や充実感も―頑張った人ほど―大きいでしょう。報告会後の懇親会で仲間と食べるピザとお寿司は、きっといつもよりも美味しかったはずです。是非この経験を、失敗も含めて、 忘れないで下さい。

報告会終了後の懇親会

 今回、いくつかのゼミの OB・OGの方々も会場にお越し下さり、後輩たちを応援していました。今後も母校を訪れて 旧交を温める機会として欲しいです。私もこの日は高津ゼミのゼミ生、そしてゼミのOBたちと美味しい食事を楽しみましたよ。 食事を別にしても、私にとってこの報告会は、自分の専門とする西洋史学以外の研究成果を知ることのできる得難い機会です。残念ながら全ての報告を聞くことはできませ んでしたが、今回は榎ゼミの天文学、上野ゼミの日本文学、戸邉ゼミの日本史学、中川ゼミの英語教育、新正ゼミの岩石学・地質学に関する研究成果やゼミ活動の報告を、興味深くうかがいました。

 学生にも卒業生にも教員にも楽しく有意義なゼミ報告会―、来年も今年以上に盛り上がることを期待しています。そのためにも、ゼミ生の皆さん!毎回のゼミの活動を、教員と仲間との時間を、大切にして下さい。

・関連記事へのリンク
2017年度 「総合教育演習」ゼミ報告会のご案内
2016年度 総合教育演習「ゼミ報告会」を行いました
2015年度 全学共通教育センター ゼミ報告会が行われました
2014年度 全学共通教育センター ゼミ報告会レポート

2017年1月22日日曜日

【学問のミカタ】絵画から見えてくる中世の冬

 外国史Iなどを担当している高津です。毎日寒いですね。昨日は少し雪も降りました。しかし、拙宅には床暖房もエアコンもお風呂もあり、快適です。
 ところで、当然といえば当然ですが、中世ヨーロッパの人びとはこうした「文明の利器」の恩恵を受けることはできませんでした。
 ルネサンスの画家ハンス・ホルバインの描いた、ロッテルダムのエラスムスの肖像画があります(ルーヴル美術館の解説)。書き物に集中するエラスムスの様子を描いた作品で、繊細な学者の内面までも明らかにするかのような傑作です・・・が、ちょっと気になります。

 なんでこの人は家の中で毛皮のコートなんて着ているのだろう?

 しかし、考えてみれば当然のことかもしれません。ヨーロッパの冬は現在でも寒いですが、16世紀は「小氷河期」といわれ、一層寒かったようです。そしてエラスムスは生来病気がちでありました・・・ということを脇に置いても、最も根本的な理由はとても単純です。エラスムスの家には床暖房もエアコンもなかったのです。あるのはせいぜい火の周辺だけを温めることができる暖炉だけ。病弱なエラスムスならずとも、コートがなければ凍えてしまうでしょう。

 「機動戦士ガンダム・ユニコーン」にも登場した「貴婦人と一角獣」と呼ばれるタペストリー(壁掛け)があります。500年以上の時を経てもなお鮮やかな色彩を保ち、「中世の秋」の時代を代表する作品です。フランスのパリにあり、ほとんど海外に貸し出されることのないこの作品は、数年前に来日し、大きな話題を集めました。私も展覧会を訪れ、美しさに感動しました。
 しかし、中世の人びとにとって、「貴婦人と一角獣」はいかなる意味を持っていたでしょうか。偉大な芸術作品?いえいえ。彼らにとって、この作品は何よりも「防寒」のための「家具」であったのです。もちろん、「貴婦人と一角獣」の美しさは、時代を超えて全ての人びとに訴えるものでしょう。しかし、このタペストリーをエアコンの利いた快適な博物館で鑑賞することができる私たちは、中世の人びとよりもずっと恵まれているのかもしれません。

 歴史学は、時代、そして地域を異にする「他者」である人びとを理解しようとする試みです。しかしこれは時に難しい。それも「寒さ」とか「暑さ」とか、「恐れ」とか「喜び」とか、一見人間が普遍的に抱くような感情や感覚が、実は意外に実感できないものなのです。

 最後にもう一枚、現代とは比較にならないほど厳しい中世の冬を体感できそうな絵画を一枚紹介しておきましょう。ペーター・ブリューゲルの「雪中の狩人」(Wikipediaの解説)は、人びとを押しつぶしそうな冬の重々しさを示して余すところがありません。

【学問のミカタ】1月のテーマ「冬」
・経済学部ブログ「マシュマロ・テスト
・経営学部ブログ「通年商品でも冬の売れ方と夏の売れ方は違います。
・コミュニケーション学部ブログ「冬とシェイクスピア
・現代法学部ブログ「平等とは?

2016年8月18日木曜日

【学問のミカタ】 「会社」=“Company”?

 「外国史I」ほかを担当している高津です。東京経済大学では、来年4月から「キャリアデザインプログラム」が導入されますね。卒業後の人生を見据えた大学のキャリア教育が、さらに充実したものとなりそうです。しかし、どんなにカリキュラムが変わっても、その結果として皆さんが変わらなくては意味がありません。皆さんの人生を決めるのは、結局のところ皆さん自身ですから。皆さんは卒業後、どんな人生を送りたいですか。

 ところで、「会社」という言葉は、明治時代に英語の“Company”の訳語として用いられるようになりました。しかし私には、この二つの言葉は大分異なったニュアンスを持っているように思われます。

 すでに中世に用いられていた“Company”という言葉は、真ん中に「パン」という言葉が入っています。この言葉はもともと「パンを分け合う人びと」という意味です。同じ食卓で食事を分け合う人びとの間には、仲間や同胞としての強い絆が生まれます。新約聖書に記された「最後の晩餐」というエピソードにおいて、逮捕と処刑を目前にしたイエス・キリストが弟子たちにパンを分け与えます。イエスはそのパンを自らの肉体として与えたのでした。

 日本でも「同じ釜の飯を食べた間柄」という表現がありますが、これなどは-キリスト教的な宗教的な意味合いを別にすれば-“Company”が想起させる人間関係に近いかもしれません。しかしそうだとすると、現在の私たちがこの表現を会社の同僚に対して使うことは稀ですから、日本と欧米の会社での人間関係のあり方は、異なっているのかもしれません。例えば私たちも仕事の後に会社の同僚と食事をしたりお酒を飲んだりしますが、こうしたことは「アフターファイブ」の私的な付き合いです。これに対して“Company”は、そうした共同の食事(会)を基盤とする人間集団、共同体なのです。

 そもそも現代社会では、農業などの一部の職業を例外として、同僚と仕事をする会社と、家族や友人と親密な時間を過ごす家は別にあります。これに対して中世ヨーロッパでは、仕事の場と家庭生活の場が同一なのが普通であり、仕事関係と家族・友人関係も重なり合う部分が大きかった。このことも中世以来の“Company”と、近代日本に輸入された「会社」の語を異なったものにしている原因かもしれません。

 私たちはしばしば、会社の同僚との人間関係に悩みます。しかしそうした悩みを恐れるあまり、「所詮仕事上のドライな付き合い」と割り切ってしまうのも、“Company”の語が内包している精神にそぐわない気がします。毎回ではないにしても、同僚との食事会や飲み会、社員旅行などの行事に参加することも、“Company”の一員として相応しい振る舞いと言えるでしょう。同僚間の過度の甘えや相互依存は禁物でしょうけれども。

 【学問のミカタ】 8月のテーマ「会社」
 ・経済学部ブログ 「会社の利益は誰のもの?
 ・経営学部ブログ 「販売会社ってなに?
 ・コミュニケーション学部ブログ 「『会社』はコミュニケーションの宝庫
 ・現代法学部ブログ 「世界で最初の株式会社って?

2015年10月20日火曜日

【学問のミカタ】ハロウィーンってそもそも何?

 「外国史I」他を担当している高津です。
 10月31日はハロウィーン。皆で仮装して集まる日として、日本でもすっかりお馴染みになりましたね。パーティなどに参加する予定のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 ハロウィーンの意味は「万聖節の前日」です。万聖節とはキリスト教の祝日。御存じのようにキリスト教はローマ帝国で迫害されていた時代、多数の殉教者を出しました。彼らの一部は聖人として信仰の対象となっており、そしてそのまた一部の者たちは独自の祝日をもっています(例:「石打ちの刑」によって死去したキリスト教史上最初の殉教者、聖ステファノの祝日は12月26日)。しかしそれほど有名でなく、自分の祝日を割り振られていない殉教聖者たちは、この11月1日の万聖節にまとめて祀られることになりました。

 さらに時代をさかのぼり、ヨーロッパにキリスト教が広まる以前、10月31日は1年の終わり、大みそかでした。ケルト人は11月1日を元日に定めていたのです。そしてこの前後、10月30日から11月2日までの期間は、死者が生まれた家に帰ってくると信じられていました。この異教的な(日本でいうところの)「お盆」を、教会はキリスト教の祝祭日としてしまったわけです。

 ルターによって宗教改革が開始されると、プロテスタントは聖人崇敬や迷信的な民間信仰を否定しました。ピルグリム・ファーザースとしてアメリカ大陸に渡り、後の合衆国の基礎を作った人々はプロテスタントでしたので、ハロウィーンを祝っていません。子どもたちが魔女やお化けの仮装をして、ジャック・オ・ランタンを手に家々を訪ねるというお馴染みの形式がアメリカ合衆国で広まったのは今から約200年前のこと。キリスト教の歴史やアメリカ合衆国(北米植民地)の歴史と比べて、それほど長い伝統があるわけではありません。私は仮装パーティにも興味がありますが、それ以上に、日本でブームになっていまだ数年でしかないこの祝祭がこの地で伝統として根付くことができるのか、その過程でどのような変化を辿るのか、興味があります。そしてその歴史をつくっていくのは、皆さんです!

2015年6月22日月曜日

読書会とBBQ

「外国史I」ほかを担当している高津です。
6月5日(金)に読書会が開催されました。宇野常寛『リトルピープルの時代』(幻冬舎2015年)をネタ本として、村上春樹から平成ライダー、現代文学からサブカルチャーを事例に、現代日本の文化的状況、そこで生きていく私たちの実践のあり方について語り合おう、特に「40代のおじさん」という立場から、大学生である皆さんの意見を聞きたい・・・・と、楽しみにしていたのですが、残念ながらあまり多くの方々に参加いただくことができませんでした。ちょっと本が分厚かったか・・・・しかし、内容的にはとても興味深く、一気に読み通せる本なので、勇気をもって(?)チャレンジして欲しかったと思います。参加者の方々とは、本の内容を踏まえながら、自身のアニメやSNSの体験についても語り合うことができ、とても楽しく有意義な時間を過ごすことができました。参加者の方々に御礼を申し上げます。

6月14日(日)には、この読書会の出席者にも参加していただき、小金井公園でBBQを行いました。東京経済大学の留学生と日本人学生の交流イヴェントの一つです。こちらは(大変喜ばしいことに)50人近い参加者を得ることができました。私も10年ほど前にドイツに3年間留学していましたが、そのときにはドイツ人の学生さんたちに大変お世話になりました。今回はそのときの恩返しのつもりで参加しました。留学生、日本人学生の皆さんの双方にとって、楽しい交流の会となったのであれば嬉しいです(私自身はとても楽しく過ごしました)。今後も国際交流課の職員の方々、留学生チューターの学生諸君とともにこうしたイヴェントを開催していきますので、日本人、外国人を問わず、多くの友人を作って欲しいと思っています。

2014年12月19日金曜日

第11回読書会―東浩紀『動物化するポストモダン』


「外国史Ⅰ」ほか担当の高津です。

1216日(火)に、読書会が開催されました。私がファシリテーターを担当し、東浩紀『動物化するポストモダン オタクから見た日本社会』(講談社2001年)について語り合いました。

私は2年前に初めてこの本を読みましたが、私よりも学生の皆さんの方のための本だと思いました。オタク的なポストモダンという日本社会を日々生きている皆さんが、この本に書かれていることをどう思うか、皆さんに自由に議論していただきたい、私はただそれを聞きたい―、このように考えて読書会に臨みました。

とても有意義で楽しい会となりました。10人以上の方々が集まり、オタクの立場から、非オタクの立場から、著者の東浩紀のファンという立場から、皆さん大いに語って下さいました。アニメやゲームの「キャラ萌え」や「二次創作」、「データベース消費」など、本で論じられているテーマだけでなく、SNS、モバゲー、さらにはアイドル(アイドルとアニメキャラはともに「2.5次元の存在」だそうです)といった、本では取り上げられていないテーマにまで話が広がり、途中では先日の衆院選挙の話題も飛び出すなど議論は白熱。私はタジタジでした。最後は時間切れになってしまいましたが、「まだヴォーカロイドについて話していない」という声もあがり・・・すみません。おじさんは勉強が足りなかったです。
参加者、大いに語る!個性的なオタク論が次々に飛び出し・・・タジタジな私(左)
 歴史を勉強している私としては、皆さんが「ふつー」に生きているオタクな日常が、実は戦後から現在までに至る社会的・文化的変化―「理想の時代」から「虚構の時代」を経て「動物の時代」へ―の中で生成されたものであることを認識し、これまでとは違った目で皆さんの大好きなアニメやゲーム、アイドルを見るきっかけとなってくれればとも思っていたのですが、参加者の皆さんはいかがでしたでしょうか。続きは別の機会に。「続編(『ゲーム的リアリズムの誕生 動物化するポストモダン2』)でも読書会をしたい」と言って下さった方、どうもありがとう!是非またやりましょう!

お疲れ様でした。是非続きをやりましょう!
第10回読書会にレポート(有川浩『フリーター、家を買う。』)
第9回読書会のレポート(星新一『人民は弱し 官吏は強し』)
第8回読書会のレポート(ニーチェ『喜ばしき知恵』)
第7回読書会のレポート(M.サンデル『これからの正義の話をしよう』)

2014年7月6日日曜日

センターコロキウムが開催されました!

  外国史担当の高津です。

新任の阿部先生
6月18日(水)に、今年度第1回目の「全学共通教育センターコロキウム」が開催され、阿部弘樹先生と早尾貴紀先生がご講演をなさいました。コロキウムは、日ごろは500年前のヨーロッパの社会にはまり込んでいる私にとって、歴史学以外の学問分野に触れる、得難い機会です。
問題を実際に解きながら
お話を聴きました。




阿部先生は、「もしも東経大生が定数係数連立1階線形同次常微分方程式がつかえたなら。」と題する講演をなさいました。私たち聴講者は、阿部先生のご指導のもと―私には難解極まりない―方程式と取組み、「数学者の世界観」の一端を垣間見ることができました。その世界は、純粋文系人間の私には理解不能な部分が多々あるものの、魅力的な世界でありました。

支援活動の写真を見ながら。
早尾先生は、「核とディアスポラ」と題する講演で、現在取りまれている東日本大震災の被災者の支援活動について紹介し、ご自身のディアスポラ研究との関係についてお話しされました。学問の世界に引きこもることなく、我々が直面している真にアクチュアルな問題と格闘する早尾先生の姿は、歴史オタクの私には、とても眩しかったです。

講演会の後は、今年4月に東京経済大学にいらした阿部先生の歓迎会を兼ねた懇親会が開かれ、大いに話が弾みました。コロキウムは秋期にも開催されます。楽しみです。


2014年7月1日火曜日

「岩波ジュニア新書」で読む世界史のススメ

 外国史担当の高津です。

嬉しいことに貸出中の本、続出。
貸し出し中の本は、MyLibraryから
予約をかけられます。
6月13日より、図書館展示「岩波ジュニア新書の世界」が行われています。私もちょくちょく様子を見に、図書館1階の展示スペースを訪れているのですが、たくさんの本が「貸出し中」になっています。多くの学生の皆さんに関心をもっていただいたようで、とても嬉しいです・・・が、私の妄想であれば良いのですが、相澤先生や新正先生の推薦の図書に比べて、私が推薦した歴史の本が、まだまだ棚に残っているではないか・・・というわけで、ここに「「岩波ジュニア新書」で読む世界史のススメ」を投稿します。

私が特にお薦めする本は、川北稔『砂糖の世界史』と遅塚忠躬『フランス革命』です。どちらも歴史、のみならず学問を学ぶことの醍醐味を味わわせてくれる本です。まず『砂糖の世界史』から参りましょう。砂糖という日常的な、ささやかな幸せをもたらしてくれる甘い粉には、ヨーロッパとアフリカとアメリカを包み込む、広大な宇宙の広がりと、500年に及ぶ栄光と悲惨の時間が凝縮されています。スプーン一杯の砂糖の小ささと、地球の広大さ―、このあまりのギャップに頭がクラクラっとしてしまいます。『砂糖の世界史』はこの眩暈の快感を感じることのできる書物です。

次いで『フランス革命』。しばらく前に「アハ体験」という言葉が流行しました。「アハ体験」は、難しい問題を散々考え、悩んだ後、ふっと何かが閃き、「分かった!」ときの喜びを意味します。ところで、歴史学において「フランス革命とは何か」という問題ほど、難解で、それゆえ心をそそる問題はありません。そしてこの本は、この問題に一つの明快な解答を提示しています。「アハ体験」を体験できます。是非ご自身で体験して下さい。

気になった方、
目印は1階ブックウォールCです!
一つの問題の背後に宇宙的な広がりを発見したとき、複雑難解に見えた問題を説明する原理や原則を発見したとき、私たちは喜びを得ます。『砂糖の世界史』と『フランス革命』はそうした喜びを与えてくれる本です。できれば全ての小中学生、そして大学生にこの本を読ませたい。そうすればきっとみな歴史学者になりたくなるでしょう。

もう一つ、この2冊の本の素晴らしい点について述べましょう。本の作者の2人の先生は、若い世代の皆さんを愛しています。文章の端々に、愛情が溢れています。特に遅塚先生―惜しくも数年前に亡くなってしまいました―の皆さんへの熱いメッセージは、涙なしには読めません。
以上、「「岩波ジュニア新書」で読む世界史のススメ」でした。是非皆さんも手に取ってみて下さい。

2013年11月13日水曜日

上野で博物館と美術館を堪能!

「外国史Ⅰ」・「現代社会の基礎知識」担当の高津です。葵祭準備期間でお休みであった1031日、相澤先生、新正先生と楽しい一日を過ごしました。3つの「総合教育演習」合同で上野の博物館、美術館めぐりをしたのです。

科博屋上のハーブガーデンからは、
スカイツリーが間近に見えます。
午前10時に集合した私たちは総勢13名。まずは国立科学博物館に向かいました。私がここの常設展示を見学するのは小学生のころ以来。「地球館」と「日本館」に分かれている現在とは、だいぶ様子が違っていました。最初はやや戸惑いながら「地球館」の展示物を鑑賞。海や陸に生息する動植物のはく製や標本も見どころですが、やはり私としてはお茶くみ人形から自動車、ロケットから人工衛星「はやぶさ」に至る科学技術の発展史に関するコーナー、そしてこれは小学生のころからですが、恐竜と猿人(人類の誕生)のコーナーに長居してしまいます。逆に、高校以来苦手な物理や化学に関する展示は、「分かる人にはさぞかし「お宝」であるに違いない」と思いつつも、正直チンプンカンプンでした。2時間の予定時間では、到底全てを見ることはできない、大充実の内容で、私は「地球館」のみでタイムオーバー。「日本館」には足を踏み入れませんでした。ミイラが展示されていたとのこと・・・残念。

都美術館に向かう。
ゼミ学生4人と一緒にとんかつを食べた後(上野には昔なからの有名なとんかつ屋が何軒もあります)、午後は東京都立美術館の特別展示「ターナー展」で、イギリス最高の画家といわれるターナーの作品を鑑賞しました。美しい絵画作品が盛りだくさんでお腹一杯になれます。海と空の表現が印象に残るターナーの作品ですが、彼の生涯の作品を時期ごとに分けて鑑賞すると、作風の変化を感じ取れます。私は美術の歴史の専門家ではないので単なる印象かもしれませんが、近世オランダの風景画、そしてニコラ・プッサンとクロード・ロランというフランス画家の作品の最良の部分を組み合わせたような画風を確立した後、それをどんどん崩していくことで独自の境地を切り開いていった過程を辿れたような気がしました。このターナーの作風の変化を、産業革命から帝国主義に至るイギリス社会の歴史と関連させるとどうなるか・・・興味が尽きません。関係ないかもしれませんが、イギリスを代表する画家ターナーが死去した3年後の1854年、今度はイギリスを代表する名探偵シャーロック・ホームズが生まれました。

自然と科学と美術を堪能しながら(これは職業柄仕方ありませんが)歴史を考える(妄想する)、とても贅沢な一日でした。また是非みんなで訪れたいです。