本学・堺憲一学長の支援のもと活動しているプロジェクト「図書部」と「TKUサイエンス」は、新正研究室の協力の下、「宮沢賢治とふしぎな石展」を10月下旬より図書館1Fロビーとブックウォールにて実施しています。
宮沢賢治は大正から昭和初期にかけて活躍した岩手県出身の詩人・童話作家です。『銀河鉄道の夜』や『注文の多い料理店』をご存じの方も多いかもしれません。そんな宮沢賢治と「石」とは、あまり結びつかない方も多いかもしれませんが、実は彼の文学作品には鉱物や岩石が数多く登場しています。彼は盛岡高等農林学校で地学を学び、日本各地の地質図を作成するなど地質学者としての一面もあります。
「溶岩」「金剛石」「硅板岩」…。賢治の文学作品には石の名前や地学の専門用語が使われているものが多数あります。今回の企画では『銀河鉄道の夜』『楢ノ木大学士の野宿』『春と修羅』などの作品を取り上げ、作品に登場する鉱物や岩石などの実物の標本を、作品とともに紹介します。たとえば『楢ノ木大学士の野宿』は、主人公の宝石学者の楢ノ木大学士が、山に分け入りオパールを探して3日間野宿し、夢に翻弄される話でたくさんの岩石・鉱物が登場します。野宿をするのが好きで、鉱物が大好きな楢ノ木大学士には、賢治自身が投影されていると言われています。ロビーのガラスケースに賢治が惹かれた鉱物や岩石の実物を展示していますので、みなさんもその魅力に遭遇されてみてください。
(図書部t)
「宮沢賢治とふしぎな石」展 2015年2月27日(金)まで 東京経済大学図書館1階にて
*賢治の詩などの作品を添えた鉱物標本を無償配布中(第2弾準備中です)
*1月に展示入れ替えを予定しています(ちょっとキレイなものを増やします!)
【参考】
国立科学博物館 石の世界と宮沢賢治