2014年12月19日金曜日

第11回読書会―東浩紀『動物化するポストモダン』


「外国史Ⅰ」ほか担当の高津です。

1216日(火)に、読書会が開催されました。私がファシリテーターを担当し、東浩紀『動物化するポストモダン オタクから見た日本社会』(講談社2001年)について語り合いました。

私は2年前に初めてこの本を読みましたが、私よりも学生の皆さんの方のための本だと思いました。オタク的なポストモダンという日本社会を日々生きている皆さんが、この本に書かれていることをどう思うか、皆さんに自由に議論していただきたい、私はただそれを聞きたい―、このように考えて読書会に臨みました。

とても有意義で楽しい会となりました。10人以上の方々が集まり、オタクの立場から、非オタクの立場から、著者の東浩紀のファンという立場から、皆さん大いに語って下さいました。アニメやゲームの「キャラ萌え」や「二次創作」、「データベース消費」など、本で論じられているテーマだけでなく、SNS、モバゲー、さらにはアイドル(アイドルとアニメキャラはともに「2.5次元の存在」だそうです)といった、本では取り上げられていないテーマにまで話が広がり、途中では先日の衆院選挙の話題も飛び出すなど議論は白熱。私はタジタジでした。最後は時間切れになってしまいましたが、「まだヴォーカロイドについて話していない」という声もあがり・・・すみません。おじさんは勉強が足りなかったです。
参加者、大いに語る!個性的なオタク論が次々に飛び出し・・・タジタジな私(左)
 歴史を勉強している私としては、皆さんが「ふつー」に生きているオタクな日常が、実は戦後から現在までに至る社会的・文化的変化―「理想の時代」から「虚構の時代」を経て「動物の時代」へ―の中で生成されたものであることを認識し、これまでとは違った目で皆さんの大好きなアニメやゲーム、アイドルを見るきっかけとなってくれればとも思っていたのですが、参加者の皆さんはいかがでしたでしょうか。続きは別の機会に。「続編(『ゲーム的リアリズムの誕生 動物化するポストモダン2』)でも読書会をしたい」と言って下さった方、どうもありがとう!是非またやりましょう!

お疲れ様でした。是非続きをやりましょう!
第10回読書会にレポート(有川浩『フリーター、家を買う。』)
第9回読書会のレポート(星新一『人民は弱し 官吏は強し』)
第8回読書会のレポート(ニーチェ『喜ばしき知恵』)
第7回読書会のレポート(M.サンデル『これからの正義の話をしよう』)