2014年12月8日月曜日

学長とお仕事小説を読む―第10回読書会―

 倫理学とフランス語担当の相澤伸依です。本日、第10回読書会が開催されました。

ガラス張りの
明るいブラウジングスペースで。
3限の終わった14時半過ぎ、図書館ブラウジングスペースに学生7名が集合しました。みんなの手には有川浩『フリーター、家を買う。』が握られています。今回の読書会では、経済小説評論家でもある堺憲一学長がファシリテーターとなって、ドラマ化もされたこの人気小説を読みました。

付箋がたくさん、メモもたくさん。
しっかり読み込まれたお題本。


堺先生は、まず学生に「小説を読んで心に残ったことを二点、メモしてみましょう」とおっしゃいました。少し時間を置いてみんなが書けたところで、今度はプレゼン開始。プレゼンでは、自分が心に残った点を二つ発表し、その共通点を取り出すことが参加者に求められました。一人ずつ、順番に発表していき、堺先生はそれぞれにコメントを付していかれます。この作業を通じて、参加者が小説をどのように読んできたが理解できるだけでなく、自分が考えたことの整理の仕方やグループで話す時のテクニックを知ることができました。

プレゼンの仕方など、使える情報
もりだくさんの堺先生のお話。
みんなたくさんメモしていました。
この小説は、就職した会社を短期間でやめてフリーター生活を送る主人公が、家族やバイト仲間との関わりを通して自分のあり方を見直し、再就職を果たすまでを描いています。参加者からは、「仕事のやりがいをどう見出していくのか?」や「社会に必要とされる人間になるとはどういうことか?」という問いが出されたので、その点についてみんなでディスカッションしました。参加者には、就職活動を終えた四年生や院生もいれば、就活を控えた三年生、まだ時間のある一年生、二年生もいました。各自、自分の経験をふまえつつ、意見を出してくれてお互い刺激になったようです。

お仕事小説読書会を通して、参加者の就活への意識や、仕事への期待が高まったように見受けました。堺先生お薦めの経済小説・お仕事小説は図書館一階の課外図書の棚に配架されています。働くことについて考えるきっかけとして、多くの学生に読んでもらいたいと思います。

〈関連リンク〉
第9回読書会のレポート(星新一『人民は弱し 官吏は強し』)
第8回読書会のレポート(ニーチェ『喜ばしき知恵』)
第7回読書会のレポート(M.サンデル『これからの正義の話をしよう』)
第6回読書会のレポート(小田中直樹『フランス 7つの謎』)
第5回読書会のレポート(辻村みよ子『代理母問題を考える』)
第4回読書会のレポート(大野更紗『困ってるひと』)