国会図書館なので国会議事堂の隣にあります |
「地球の科学」他担当の新正です。昨年の12月6日に引き続き、今年も国立国会図書館の見学ツアーが行われ、参加させていただきました。
案内板 |
その後の書庫見学が、見学のハイライトと言えるでしょう。
今回はまず、地図室の書庫を見学しました。さまざまな地図資料の中から、特色のあるもの、数枚を準備してみせていただきました。まず、国土地理院5万分の1地形図の変遷を「東京東南部」図幅について比較します。海岸部分ですが埋め立てなどで、大きく地形が変化しています。
次に「外邦図」と称して、戦前日本が植民地としていた地域の地図の例として、「クサイ島兵要地誌資料図」、満州の「新京」図幅(現在の長春)を見ました。前者は極めて鮮明な地図で、戦略上の注意点が赤字で書き込んであります。さらに「路上測図」というもの。要は軍隊が仙台から山形へ行軍した際に作られたルートマップです(1880年)。きわめて精細に書き込まれています。
「北海道渡航案内図」(1906〜7)も興味深いものです。観光マップ風なのですが、本体タイトルは「移住の手引き草」。時代を感じさせます。
1910年の「東京市全図」。観光地図です。裏面には鉄道経路図の他に、芝公園、浅草公園、上野公園の案内図があり、上野動物園の動物配置、なんてのも載っています(「戦利品」などと言う表現も時代によりますね)。すなわちこれをみれば大正時代の上野動物園にどんな動物がいたかがわかる訳です。ただ、このような情報がある、ということは検索では判るものでないので、専門の司書の知識の蓄積に寄らざるを得ないということでした。
後は、石巻、宮古付近の海図(平成と明治のものの比較)、明治時代の県別に塗り分けた双六(「大日本府縣雙陸」)などを見学。興味は尽きませんが、次の書庫へ移ります。
地下30メートルで記念写真 |
雑誌は独自の分類をされていて、アルファベットの大括りの分野分類の後に、登録順に数字の番号を振っているとの事です。それで、どこかの大学紀要の隣に、雑誌 『L&LLサイズのミセスの服』が並んでいる謎?が解けました。
そのほか雑誌棚では『自転車・バイク駐車場』に?が出て開いてみせていただきました。たいへん立派な業界紙でした。
再び、控室に戻っていくつか質問に答えていただいて、約2時間のツアー解散となりました。
一部の参加者は、さらに新館で行われている企画展示「あの人の直筆」も見ました。さまざまな歴史的人物の、直筆資料が展示されています。坂本龍馬の文字に人気があるそうですが、三島由紀夫のサインが美しかった。また東経大関係では大倉喜八郎の伊藤博文に宛てた書簡(1901年6月28日)が展示されていました。18日までということなので、見たい人は急げ!
ということで、長々記しましたが、要はたいへん面白かった。学生の皆さんも折角東京にいるんだから、是非利用してほしいです。
次回の図書館関係のツアーは「神田神保町散策ツアー」が11月22日(土曜日)に行われます。こちらも興味のある人は是非ご参加下さい。
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