嬉しいことに貸出中の本、続出。 貸し出し中の本は、MyLibraryから 予約をかけられます。 |
私が特にお薦めする本は、川北稔『砂糖の世界史』と遅塚忠躬『フランス革命』です。どちらも歴史、のみならず学問を学ぶことの醍醐味を味わわせてくれる本です。まず『砂糖の世界史』から参りましょう。砂糖という日常的な、ささやかな幸せをもたらしてくれる甘い粉には、ヨーロッパとアフリカとアメリカを包み込む、広大な宇宙の広がりと、500年に及ぶ栄光と悲惨の時間が凝縮されています。スプーン一杯の砂糖の小ささと、地球の広大さ―、このあまりのギャップに頭がクラクラっとしてしまいます。『砂糖の世界史』はこの眩暈の快感を感じることのできる書物です。
次いで『フランス革命』。しばらく前に「アハ体験」という言葉が流行しました。「アハ体験」は、難しい問題を散々考え、悩んだ後、ふっと何かが閃き、「分かった!」ときの喜びを意味します。ところで、歴史学において「フランス革命とは何か」という問題ほど、難解で、それゆえ心をそそる問題はありません。そしてこの本は、この問題に一つの明快な解答を提示しています。「アハ体験」を体験できます。是非ご自身で体験して下さい。
気になった方、 目印は1階ブックウォールCです! |
もう一つ、この2冊の本の素晴らしい点について述べましょう。本の作者の2人の先生は、若い世代の皆さんを愛しています。文章の端々に、愛情が溢れています。特に遅塚先生―惜しくも数年前に亡くなってしまいました―の皆さんへの熱いメッセージは、涙なしには読めません。
以上、「「岩波ジュニア新書」で読む世界史のススメ」でした。是非皆さんも手に取ってみて下さい。