2018年5月21日月曜日

【学問のミカタ】数学研究の一コマ

 数学担当の阿部です。昨年の三月頃からある数学の問題に興味を持ち、ずっとその計算をしていました。計算が終了したのが七月の終わり頃で、なかなか面白い解答が得られたので、論文にまとめようと執筆を進めていると、あるときその解答に漏れがあることに気付きました。仕方ないので執筆作業を中断し、再び計算をやり直すことにしました。こんなことがあると、ひどく落ち込んでしばらくは数学のことを見たくもなくなるものなのですが、そのときは不思議と「ほぉまだ真理に到達してなかったか。一体この問題の本当の姿はどんななんだろう」と思ったのを覚えています。

 iPS細胞で有名な山中伸弥氏がある本の中でオリジナリティについて話をしていました。概ね次のような内容だったと記憶しています。実験してみたら予想していた結果と違う結果が出てきた。自分が予想していたことは他人も予想できること。でもその予想と違う結果が出てきたら、それは他人にも予想ができないことが出てきているということなので、それは自分のオリジナルである。そのことに面白いと思えるかどうか、その事実に食らいついていけるかどうかがオリジナルな仕事ができるかどうかの分かれ道である。


 思っていた通りに事が進まないとイライラしたり落ち込んだりするものです。でも思てたのと違う事柄というのは、自分の従来の思考の枠からはみ出てる分、これまでの自分の範疇を超えていくきっかけ含んでいることがあるかもしれません。私が得た不完全な解答も、そこから漏れた事柄を丁寧に調べた結果として、自分の従来の計算技術では到達できなかったであろう場所まで研究内容を牽引してくれました。あのときよく落ち込まずに計算を続けられたなぁと今では胸をなでおろしています。尤もそのあと、より致命的な計算ミスが見つかり、全身から血の気が引き手足がぶるぶる震える憂き目にあったのですが、そのことは思い出したくもないので割愛させてください><

追記 最後の計算ミスも後日解決できました^^;

5月の【学問のミカタ】
・経済学部「日本人の長時間労働の背景
・経営学部「ミャンマーの大学生との交流会@横浜
・コミュニケーション学部「『好き』を仕事にするなら、回り道しよう
・現代法学部「ろう文化を守ることとインクルージョン:障害者と差別について考える