2019年6月16日日曜日

ブックトーク「恋を描く」

 フランス語と倫理学担当の相澤伸依です。今回は私が企画した図書館イベントについて報告します。

 6/13(木)の5限の時間帯に図書館ブラウジングスペースで、漫画家の岡藤真依さんをゲストにお迎えして、「恋を描く」というイベントを開催しました。岡藤さんは、女の子の恋と性を繊細な筆致で描く作品を発表している新進気鋭の漫画家です。今回は、4月に発表された新作『少女のスカートはよくゆれる』(太田出版)のお話を出発点に、岡藤さんが作品に込めているメッセージや漫画家になるまでの経緯、創作活動の難しさや喜びなど幅広い話題を語っていただきました。

 
岡藤さんの作品『どうにかなりそう』と『少女のスカートはよくゆれる』

 私が聞き手となる形でブックトークを行ったのですが、ぜひ学生目線で質問したかったことがありました。それは「やりたいことを仕事にするにはどうすればいいのか?」です。「漫画家」というやりたかったことを仕事にできている岡藤さんはどうやってそこにたどり着いたのだろう? 岡藤さんは、私の質問に対してご自身のこれまでのキャリア(岡藤さん的「まんが道」?)を率直に語り答えてくださいました。 

 岡藤さんご自身、最初から漫画家になろうと思っていたわけではないとのこと。働きながら創作するという二足のわらじを履く期間も長くご苦労や紆余曲折が多々あったわけです。しかし漫画を創作したいと思ってから、そのやりたいことをするための努力だけは全力で続けたと強調されました。「才能があるかないかではない。やりたいと思って努力を続けることで、成功するかどうかわからないけれど、やりたいことに近づくことができる」とのこと。

 岡藤さんは、その努力の助けになった要素としてご自身の「好奇心」と「しつこさ」を挙げられました。表現したいことを世界に見つけ出す好奇心とそれを漫画という形で描くためのしつこさ。この二つの要素が努力を続ける秘訣になったということでした。
大学生活は、社会の中でどんなことをして生きていくかを考え、選択する時期にあたります。その時期を生きる参加者にとって、岡藤さんの言葉は示唆に富むものであるように思われました。

多くの方が聴きに来てくださり感激!前で話している我々二人も楽しかった!

 他にも作品の話や創作の背景にある読書体験など語っていただき、学生との質疑応答も盛り上がって予定していた一時間半はあっという間に経過。イベント終了後も参加者が岡藤さんに質問する姿が見られ、企画した者として大変喜ばしく感じた次第です。
イベント終了後も話は尽きず。参加者のみなさん、ありがとうございました。

 ブックトークは終了しましたが、岡藤さんの漫画作品と、岡藤さんと私が「恋」をテーマに選んだオススメ本を図書館一階ブックウォールEに展示しています。ぜひ本(特に岡藤さんの作品!)を手にとってみてください。