2016年10月9日日曜日

【学問のミカタ】フランスの秋あれこれ

国外研究員としてパリに滞在中の相澤伸依です(2017年度倫理学とフランス語担当)。今月の「学問のミカタ」のお題は「秋」。10月に入って、パリはすっかり秋めいてきました。ここでは、フランスならではの秋を紹介したいと思います。

夏の公園。平日でも
夕方からピクニックする人多数。
フランスで生活していて季節を感じるのは、何よりも日の長さの変化においてです。フランスでは夏の間は日が日本よりもずっと長い。夏至のころは22時過ぎまで明るく、夏を通して20時過ぎまで明るいのが普通なのです。フランスの人々は、夕方からカフェのテラスで一杯飲んだり、公園でピクニックをして、夏の日差しを満喫します。

逆に、日が短くなると、それは秋の訪れを意味します。20時頃に暗くなった空を見て、夏の終わりを実感するのです。ちょうど今がそんな時期に当たります。

パリには、歴史ある
オペラ・ガルニエと
近代的なオペラ・バスチーユ
があります。こちらはガルエ。
フランスでは、夏時間を採用しているので、三月の終わりから十月の終わりの期間(日付は毎年異なる)は日本との時差が7時間ですが、十月の終わりに冬時間に変更されると時差が8時間になります。冬時間になると、もう秋真っ盛り、冬も近い。夏との対比で、一層夜が長く感じられます。

秋の夜長という言葉がぴったりなこの時期、フランスの人々の楽しみの一つは劇場に通うこと。夏の間お休みしていたオペラやバレエ公演のシーズンが開幕するので、長い夜に劇を満喫して過ごすわけです。私もバレエが好きで、オペラ座にわくわくしながら出かけています。

フランス語を学ぶ学生のみなさんには、このようなフランスの暮らしぶりを知って、できれば旅行や留学などで体感してもらいたいなあと思っています。言葉は、机の上で学ぶだけでなく、使ってこそ価値あるもの。フランス語話者の文化を知ること、体験することはコミュニケーションを容易にしてくれます。

オペラ座内部のサロン。
開演前にミニコンサートをやっていることも。
ガルニエの舞台。
この日は、現代バレエを見ました。













私のフランス語の授業では、教科書で文法を学ぶだけでなく、文献や映画鑑賞を通して、フランスの文化、社会についての知識も深めます。語学は語学じゃない!がフランス語教員としての私のモットー。二年間のフランス生活で私が体験したこと、実感したことを、授業でみなさんに伝えることを楽しみにするこの頃です。

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