2016年2月17日水曜日

TKUサイエンスツアー第3弾「高層気象台」「食と農の科学館」

2015年度 東京経済大学教育改革支援制度採択事業である「TKUサイエンス」では2月5日にサイエンスツアーを行いました。行き先は「高層気象台」と「食と農の科学館」。

朝、出がけに地震(国分寺では震度3)が発生し、若干電車のダイヤが乱れましたが、無事、東京駅八重洲のバス駐車場に全員集まり、一路つくばに向かいます。

午前は気象庁の「高層気象台」。つくばの巨大な敷地に気象研究所とともにあります。なんと1920年開設ということで大正時代から続く施設です。

昔使われた、測器をつけて上空の観測を行っていた凧。
落雷が凧のワイヤーを伝って落命した方がいたとのこと。
まさに命を賭して観測が行われていた。


まず概要の説明を受け、昔の測器などを見学した後、紫外線、オゾン量、日射量などを観測する部署で解説を受けました。概要を聞いた後、実際に屋上の測器を見学します。観測によっては、太陽の直射光を遮る必要があり、測器に工夫がされています(写真でわかるでしょうか?)。


ラジオゾンデについて学ぶ


引き続きラジオゾンデについての説明を受けました。実際にあげるのは朝と夜なので、今回はあげる様子は動画で見せていただき、風船、パラシュートおよびゾンデの実物を実際に手に触れながら解説を受けました。お話は興味深く様々な質疑も行われました。バルーンに水素ガスを詰めて約30 km上空に上がるまでの間観測が行われるそうです(そのくらいの高度で風船が破裂する)。ゾンデの軽さが印象的でした。


足元の丸いものは降水量計
最後に屋外に出て地上観測の「露場」で、測器を見学しました。降水量計、温度・湿度系、積雪深計その他について様々な工夫についてお話しいただきました。9000平方メートルに及ぶ広い「露場」を誇り、アメダスつくば」のデーターはここで得られているとのことです。





丈の高い(約1.5 m)イネは飼料用品種
近隣のアウトレットのフードコートで昼食の後は、農研機構「食と農の科学館」を訪れます。まず科学館のパネル展示を一通り案内・解説いただきました。農業や畜産に関わる様々な研究結果がパネルにまとめられており、関連した現物が展示されています。具体的な製品も数多く置かれていて、興味を惹かれます。新しい品種のお茶が飲める給茶器で種類の違うお茶を楽しむ学生もいました。





酵素処理した柑橘皮むきに取り組む学生たち
そして場所を変えて酵素による果実の皮剥きの実習を受けました。基礎的内容のレクチャーを受けた後、実際に酵素で分解して柔らかくなった柑橘の皮を剥いてみました。現在多く用いられる酸・アルカリ処理と異なり、温度をかける必要がないので果実のみずみずしさが保たれ、付加価値の高い食品作成への適応が期待されるとのことです。


さらにバスで少し移動して、植物工場を見学しました。苗の育成、トマト、パプリカその他の栽培の様子や設備について説明を受けました。トマトは日本品種、オランダ品種が植えられていましたが、それらの違いなどについても実際の作物の様子を見つつ解説されました。
植物工場でのレクチャーの様子
苗テラス内部へ。気温やCO2量は高く保たれている。

気象台、食と農の科学館いずれでも現場で業務・研究に携わっている人から詳しいお話を聞くことができ、学生も素朴な疑問をぶつけていました。それぞれの見学先で熱心に解説をいただき、いずれも予定時間を若干オーバーして見学を終えました。

バスで一度東京駅に戻り解散。これで今年度の「TKUサイエンス」の行事をすべて終えました。

お疲れ様でした
懇切なご対応をいただいた、高層気象台、農研機構の皆様に厚く御礼申し上げます。「地球の科学」ほか担当の新正が記しました。



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