4月4日は皆既月食でした。月食とは、地球の影に月が入って、月が欠けていく現象のことです。月食で注目すべきポイントはいくつかありますが、その一つは、月の形の変化のしかた、つまり、欠け方のパターンです。月が欠けていくといっても、月食時は、普段の約1か月単位の「月の満ち欠け」とは異なったパターンの欠け方をします。古代ギリシア人たちは、この月食時の欠け方のパターンから、「地球が球形であること」や「月は地球より小さいこと」を知り、月食時に月が欠けている時間の測定することで、月の直径と地球の直径の比を測っていました。
私が担当する天文学をテーマとする総合教育演習(榎ゼミ)では、学内で、この皆既月食の観察会を企画しました。しかし、せっかくゼミの学生さんが集まってくれましたが、雲が厚く、全く観察することはできませんでした。昨年(2014年)の10月8日にも皆既月食がありましたが、この時は晴れていたので、図書館前で望遠鏡を使った観察ができました(図書館のtwitterで紹介して頂きました。その1、その2)。また、一昨年の11月から12月にかけては、学内でアイソン彗星の観察を行いました。
榎ゼミでは、学内で天体観察を行うだけでなく、学外へもゼミ合宿や海外ゼミ研修で天体観察に出かけます。しかし、天候に恵まれないと天体観察はできません。昨年のゼミ合宿のレポートでも書きましたが、自然を相手にしていると、人間の考えた通りに物事は進みません(人間相手でも、なかなか進みませんが)。そういったことを実感することも、ゼミの学習の一環だと考えています。