国外研究員としてフランスに滞在中の相澤伸依です(フランス語と倫理学担当)。
ご存知のとおり、熊本で大地震が起きました。私は熊本生まれの熊本育ち。遠い国で故郷の災害を眺めることになりました。今回はその中で考えたことを綴りたいと思います。
4月14日、日本は21時すぎ、フランスは14時過ぎ。家で作業をしていたところ、日本の友人たちから熊本で大きな地震が起きたというメールが届きました。慌てて実家に連絡したところ、無事との知らせがあり安堵しましたが、時間が経つにつれて被害の様子が明らかになっていき、不安になります。
4月16日に本震が起こると、フランスでの報道もますます大きくなり、被災地の写真も報じられるようになりました。ここに至って、フランスをはじめヨーロッパの友人たちから心配するメールが届き始めます。「日本で地震があったみたいだけど家族は大丈夫か?」「熊本はノブヨの故郷だよね?」等々。
地震から二週間あまりが経った今日、フランスの新聞に地震を報じる記事はもうありません。しかし、友達は気にかけてくれるし、私も熊本の様子を話し続けます。世界に友達を作るというのは、自分の世界への関心を広げることなんだと感じます。同時に、世界に自分の国を伝える、情報発信することなんだとも思います。本当に小さな活動ですが、この積み重ねが違う国の人同士を結びつけるんだろう、国際交流ってこういうことなんだろうと改めて考えたのでした。